「ところで」
「ところで?」
「今回のお題で思ったのだが、『、』で終わっているのはつま、その後に何か続くものを誘導している」
「そうかも」
「それでいくつかパターンを考えてみた『好き、嫌い、好き』オセロタイプで普通に『好き、好き、好き』と同じ。やっぱり好きみたいなのでも良い。つまり真ん中の嫌いはツンデレ要素だね」
「なるほど。ツンデレかー」
「そして『好き、嫌い、大嫌い』またはやっぱり嫌いで終わるのもデレツンタイプで昔は好きな子をイジメるパターンのように見える。つまりツンデレだ」
「なるほどー、ツンデレか」
「でも好きって言っている時点で甘えがあるのだから、本当に嫌いなんてことはありえない。つまり、最後が「、」で終わらせているのはツンデレを誘導しているわけだ」
「アホくさ」
お題『好き、嫌い、』
「ところで」
「ところで?」
「におい系の表現は恣意的なんで好みではないんだよね」
「恣意的?」
「『におい』を『匂い』や『香り』にすると良いもの、『臭い』にすると悪いイメージがついてしまった。本来はにおいだったものに漢字を当てはめていったというのはあるね」
「ふーん」
「だからこのお題には匂いや臭いを使わず香りを選んだというのもありそう。『におい』はもともと常用漢字があてられていなかったので、この認識ができたのも近年の話だけどね」
「ふーん」
「そういえば、雨のにおいがわかる人とわからない人がいるとかはあるけど、雨の香りは季節によって変わったりするね。南の海から来たものだと潮の香りがしたり、夏は草花の甘い香りがしたり」
「そういえば」
「そして雨は涙と例えられることも多いね」
「それでか」
「あー、今回のお題ね。メタな視点で見るとってやつだね。この辺りの雨と涙の類推はなかなか普遍的なものがありそうだね」
「ただの雨なのにね。雨の時期はうつうつするからかな?」
「鋭いね。それはありそうだね。類推が行われる環境的な要素」
「うーん、そろそろ外に出ない?雨も止んだみたいだし」
お題『雨の香り、涙の跡』
「ところで」
「ところで?」
「糸といえば蜘蛛の糸、赤い糸のような糸とセットのイメージがある言葉もあれば、故事成句やことわざの『陰で糸を引く』や『糸目を付けない」、『一糸乱れず』、『一糸纏わず』なんかもあるね」
「なんかいろいろあるね」
「糸というのは人間の歴史と長く付き合いがありそうだね、言葉の多さからも。すごい多い方というわけでもない。犬や猫のほうが多いかな?」
「あー、犬や猫、男と女とかの方が多そう」
「そうだね。しかし、今後は減っていきそうでもある。比喩的な言葉も多いけどね」
「あー、身の回りすぎても糸の出番は少なそう」
「蜘蛛の糸はよく聞くといえば聞くけど、芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』が小説が有名だから有名な面もあるね。丈夫さと脆さ。蜘蛛の糸自体はスパイダーシルクとも言われていて、かなり丈夫なようで、構造が研究されていたりするようだけどね」
「あー、赤い糸は伝承だったっけ。なんか世界中にあるって聞いた」
「そう。これはなんか世界中にあるね。中国の伝承からみたいだけど。それと蜘蛛の糸は、以前は蜘蛛の巣に囚われるようなイメージがあったかもしれないが、芥川の作品以降、救いと因果応報も意味するようになったとも言えるね。芥川龍之介を教えなくなったら共通認識が失われてまた意味が変わるかもしれないね」
「赤い糸は逆にずっと赤い糸の運命の人のイメージがあるのと逆みたい」
「そうだね。だから運命の赤い糸をモチーフにしたり、使った物語はたくさんあるけど、蜘蛛の方は蜘蛛の糸より、まだ蜘蛛の巣がイメージされているんだろうね」
「蜘蛛の巣に囚われた蝶の赤い糸」
「ん?」
「混ぜてみた」
「まさかのホスト純愛もの?もしくはオレ様恋愛ものみたいな」
「いや、ハーレクイン・ロマンス」
「あー」
「ありそうでしょ?」
お題『糸』
「ところで」
「ところで?」
「今回のようなお題いは物理的に届くもの、つまり手紙のようなもの。そして物理的ではなく心理的なもの、つまり心が届く届かないといったものに別れるね」
「またメタな話をしてる。というかメタな話しかしてないような」
「まあ考えるだけでは相手に伝わらない、届かないということだね。思ったことは外に出す。これは好みの問題かもしれないけどね」
「まあね。でも外への出しかたは人によるんじゃない?」
「自分不器用ですから言葉にしないと分からない」
「そう?いつもペラペラ話してるんじゃない?」
「ココロトドカナイ、オデハナス」
「またなんかやってる」
お題『届かないのに』
「ところで」
「ところで?」
「今回は抽象的なお題だが、これは隠喩(メタファー)なのか抽象(アブストラクト)なのか難しいところだ」
「なにが?」
「おそらくだが、自身の記憶を脳内の何処にマッピングしていると考えている人は極々少数派だろう」
「よく分からないけど、いなそう」
「まあ、専門家の一部かな?ということだから、このお題の対象ではない」
「んー、そうかも」
「そして次に『地図の記憶』順番を逆にしたようなものだが主述も同じ意味としても使える。逆になっていることは地図から記憶を引き出せるという意味だね」
「逆引きみたいな?」
「そうだね。そして文字通りの解釈も二つは考えられる。記憶が空間化した「記憶の地図』と記憶にある地図の意味の『記憶の地図』、さらにいえばこれらの要素が複数あるもの」
「へー、いろいろと解釈ができるっていうことね」
「まあ、そうだね。小さなときに見た地図や写真がいろいろなものを思い起こさせるようにだね。だとするとこの地図は写真かもしれない」
「おー、なんか繋がった」
「ここで飲んでいるコーヒーが君との時間を結びつけるようにね」
「あー、食べられたお菓子があなたと結びついてるようにか」
「え?」
「え?」
お題『記憶の地図』