しじま

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4/20/2024, 6:15:25 AM

進む前から分かっていた結末。

百人いたら百人全てが避けるか引き返していくような、破滅へと続く一本道。

それでも私は、この道を選んでいただろう。

愛も、夢も、希望も、私を縛ろうとするもの全て。

私には必要ない。

テーマ「もしも未来を見れるなら」

4/18/2024, 5:24:39 PM

何時ものようにキッチンで何かを作っている君。

しかし、包丁の音等は聞こえず、なのに君の片腕は忙しなく動いていた。

何を作っているのか、気になってカウンターから身を乗り出して君の手元を見やる。

何時もの小鍋と、しゃもじ、それから乳白色のゲル状の何か。

火にかけられた小鍋の中、プシプシと音を立てているゲルを、君がしゃもじで練るようにかき混ぜていた。

それは何、食べるもの?食べられるものなの?

そう、目で訴えかければ、私の視線に気がついた君が
「うん?」と首を傾げた。

テーマ「無色の世界」

4/18/2024, 9:41:40 AM

桜なんて一年中咲いているのに、春のほんの一瞬だけ有り難がるのは何故かな。


テーマ「桜散る」

4/17/2024, 7:25:02 AM

 こんな大人でも、子供の頃は公園の砂場でドラゴンボールを探していたんですよ。

 走り幅跳びの時はライダーキックもしていました、水泳の授業では犬神家も水死体ごっこもやりましたし、鉛筆をプラプラゆらしてキャッキャしてました。

私のような堅物でも、そんな子供時代があったんです。

 一番遊んだのは、かくれんぼでしたね。

そう言って、ふわりと笑った君が、目の前から消えた。

 ぜんぜん見つからないんです、みんな私を見つけられない。

真っ暗な街を君を探して彷徨う。

 きっと君も私を――。


バッと飛び起きて、バクバクと鳴る心臓を鎮めるように深呼吸を繰り返した。

時刻は午前四時四十四分、なんだか嫌な時間だ。

まだ少し煩い心臓と背中に浮かんだ冷や汗を不快に思い、寝起きの重怠い足で洗面所へと向かう。

汗で湿った下着を取り替えて、ついでに用を足し、キッチンでコップ一杯の水を飲んで寝室に戻る。

しかし、さっき見た夢のせいで、もう一度寝る気にはなれなかった。

温い布団の中、モゾモゾと動いて君の隣へ。

(はやく朝にならないかなぁ)

そう思いながら、頬杖をついて君の幸せそうな寝顔を眺めた。

テーマ「夢見る心」

4/15/2024, 3:55:01 PM

 どうせ言っても伝わらない、身近な人間にすら分かってもらえない。

結局は自分だけが傷付いて、ただ疲れるだけ。

 なら、口を閉ざして適当に時間を潰す方が得じゃないか。

さもしい人間ばかりが跋扈する、こんな世界で。

誰とも繋がらず、誰かに愛されることも、誰かを愛することもなく。

 暗く凍てついた深海を揺蕩う白い海月のように。

テーマ「届かぬ想い」

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