こんな大人でも、子供の頃は公園の砂場でドラゴンボールを探していたんですよ。
走り幅跳びの時はライダーキックもしていました、水泳の授業では犬神家も水死体ごっこもやりましたし、鉛筆をプラプラゆらしてキャッキャしてました。
私のような堅物でも、そんな子供時代があったんです。
一番遊んだのは、かくれんぼでしたね。
そう言って、ふわりと笑った君が、目の前から消えた。
ぜんぜん見つからないんです、みんな私を見つけられない。
真っ暗な街を君を探して彷徨う。
きっと君も私を――。
バッと飛び起きて、バクバクと鳴る心臓を鎮めるように深呼吸を繰り返した。
時刻は午前四時四十四分、なんだか嫌な時間だ。
まだ少し煩い心臓と背中に浮かんだ冷や汗を不快に思い、寝起きの重怠い足で洗面所へと向かう。
汗で湿った下着を取り替えて、ついでに用を足し、キッチンでコップ一杯の水を飲んで寝室に戻る。
しかし、さっき見た夢のせいで、もう一度寝る気にはなれなかった。
温い布団の中、モゾモゾと動いて君の隣へ。
(はやく朝にならないかなぁ)
そう思いながら、頬杖をついて君の幸せそうな寝顔を眺めた。
テーマ「夢見る心」
4/17/2024, 7:25:02 AM