しじま

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10/1/2023, 5:38:27 PM

 ふんふんと鼻歌を歌いながら、ローテーブルを窓辺に引っ張っていく君。

また何かやるのか、とキッチンの流しで米を洗いながら眺めていると、スリッパをパタパタ言わせながらリビングから出ていった。

と、思ったら直ぐに座布団を抱えて帰ってくる。

そして、またリビングを出ていった……あ、帰ってきた。

今度はトイレに飾っていた益子焼の一輪挿し、生けてある花を見て合点がいった。

ああ、十五夜か。

月日の経つのが早いこと、と米と水を入れた釜をセットして炊飯器のスイッチを押した。

さて、お月見だんご、どうしようか。

テーマ「たそがれ」

9/30/2023, 4:25:59 PM

どんなに辛く苦しい日々でも。

君と一緒なら大丈夫、何だって乗り越えられる。

手をつないで、時には身を寄せ合って。

君と一緒に、明日へと歩いていく。

テーマ「きっと明日も」

9/19/2023, 4:29:46 PM

命は、一所には留まれない。

空を流れる雲のように、深い海の底を巡る海水のように、絶えず流れていく。

流れていく間にバラバラに砕け、どんどん小さく解れていって、やがて散り散りに。

微粒子になって他のものと混ざり合って、少しずつ寄り集まって、全く新しい命となる。

愛して、愛されて、そしてまた、命は還っていく。

アナタも私も、皆、ここから去る時がやって来る。

命は、一所に留まることは出来ないから。


巡り廻った先の先で。

きっと、また。

テーマ「時間よ止まれ」

9/19/2023, 5:33:06 AM

天壇青に染まる世界をあてもなく彷徨い歩く。

歩けども歩けども、何処へも辿り着けない。

昼も夜もない、自分でさえ本当に居るのか分からない、この世界で。

歩き疲れて息も絶え絶えで、もう止めてしまおうかと思っていた時。

ふと、誰かの声が聞こえた気がした。

懐かしい、でも誰の声かは思い出せない。

その声のする方へ、一歩また一歩と進む。

何故だか無性に、その声の主に会いたかったから。

また、足に力を込めて歩きだした。

テーマ「夜景」

9/17/2023, 6:41:21 PM


エノテラを贈ろう。

君によく似た、優しい花を。

野辺に咲き誇る、楚々としたその花を。

君に贈ろう、たくさんのエノテラを。

私の真心を、君に。

テーマ「花畑」

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