天泣。
雲一つない青空から降り注ぐ雨のこと。
陽光に燦めく光の粒を仰ぎ見て、昔の人は「天が泣いている」と思ったようだ。
なんとも儚くて、美しい響き。
テーマ「空が泣く」
雨の日は少しだけ怠い。
昼食を一人で軽く済ませた後、リビングのソファにゆったりと腰掛けて、くあっと大きく欠伸をする。
久しぶりのまとまった雨は嬉しいが、休日の予定が狂ってしまって少しだけ残念に思う。
換気のために少しだけ開けた窓から入ってくる冷たい風に、投げ出していた手足を引っ込めるとソファの上で丸まり。
徐に卓上カレンダーを手に取って、今月の所を見た。
いつの間にか九月も半分を過ぎ、もうすぐ秋のお彼岸。
今年は、おはぎにチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
善は急げだ、グイッと全身を伸ばしてから立ち上がると、手早く身支度を済ませて家を出た。
雨足の弱まった中、傘を差して商店街の馴染みの店へ。
途中で君から「仕事が早く終わった」と連絡が入り、店の前で合流しようということになった。
ふんふんと鼻歌を歌いながら店まで来ると、見慣れないポップが店先に貼られていた。
雨の日ゲリラセール 野菜、肉類3割引!
数分前の約束も忘れて、カゴを手にすると店内へ突撃した。
テーマ「君からのLINE」
誰かの為じゃない、自分の為に生きる。
バカみたいに面白可笑しく生きて、最期に自分の人生を思い返してみて。
心の底から笑って「ああ楽しかった」と思えるような。
メリーゴーランドみたいな、そんな日々を生きていたい。
テーマ「命が燃え尽きるまで」
薄暗い病院の一角。
ベージュ色のソファに座り込んで、目の前の扉が開くのを待っていた。
残業終わりの深夜、知らせを受けてタクシーを拾い病院に駆けつけた時には、既に君は手術室の中。
何枚かの書類にサインをした後、ここで待つようにと言われて、看護師に連れてこられたのは、手術中の赤いランプの灯る扉の前で。
それから随分待ったように思ったが、腕時計を見やればまだ一時間程しか経っていなかった。
すぐ側の自販機で買った缶コーヒーで冷えて強張った指先を暖める。
絡めた指をそのままに、そっと祈った。
今までさんざん否定してきた神へと。
煌々とした赤い電灯をゆっくりと仰ぐ。
扉の開く気配はない。
痛いほどの静寂に心がざわついていき、嫌な妄想ばかりが頭を過ぎっていった。
神様、一生のお願いです。
私の大切な人を、愛する人をもうこれ以上、連れて行かないでください。
テーマ「夜明け前」
(夜明け前が一番暗い)
好きなゲームやアニメのキャラクターの誕生日を、カレンダー一部に書いてみたことがあった。
一枚くらいは埋まるんじゃないかな、と思って書きすすめていったが、全く埋まらず。
被りが多い、七夕とクリスマスは特に。
小さな枠の中には収まりきらず、短冊状の紙をテープで貼った記憶がある。
今はどうだろうか、またやってみたい気もするが。
最近のヤツは、あんまりよく知らないんだよね。
俺強え系って、色々と微妙だし。
テーマ「カレンダー」