内緒のリリィ

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11/29/2025, 5:10:32 PM

「それでさ、昨日、、、、」

その子のポケットからハンカチが落ちる。

「あ、ねぇ!落とし、、、、、」

「あ、やば!落としちゃった~!」

私の伸ばした手も、声も当然届かない。

もう、名前も呼んでもらえないのか。

ただただその背中を見つめた。

【No. 38 失われた響き】

12/27/2024, 3:09:40 PM

もう、息が白く染まるほどの寒さ。

「おまたせ」

うしろから大好きな声

「もう!遅いよ!」

怒ったように頬を膨らましてみる。

「ごめんごめん」

と笑って謝る君。

長時間君を待っていて冷えきった手のひらを息で暖める。

「寒いの?」

「少しね」

そういうと、

「ん」

だまって手袋を差しだしてきた。しかも片ほうだけ。

不思議に思いつつ、つけてみる。

「あー違う違う。逆」

「逆?」

言れるがまま逆の手につけかえる。

「これなら暖かいでしょ」

そう言って空いた手をつなぐ。

確かに。手袋より暖かい。

あぁ、やっぱり好きだ。

【No.37 手袋】

12/23/2024, 12:00:17 PM

ピーンポーン
「はーい」
チャイムが鳴り、私はあわてて外に出る。
ドアを開けてもそこにはだれもいなかった。

そのかわり、床に白い小包が置いてあった。
ここ最近物を頼んだ覚えはないし、宛名もなかった。

迷いつつ、開けてみると、赤い手袋が1つ。
「一緒にいてあげられなくてごめんね。」
そんな君の声が聞こえた気がした。

【NO.36 プレゼント】

10/21/2024, 2:25:27 PM

歌には、不思議な力がある。

歌を歌うには意味があって、届けたい想いがある。

だから私は歌うよ。

【No.35 声が枯れるまで】

10/16/2024, 2:26:38 PM

ドアを開けると見慣れない風景が広がっていた。

まぶしさに思わず目を細める。

でもそれは春の日差しのような、、、



とても暖かくやわらかな光


【No.34 やわらかな光】

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