届かぬ想いは苦しいですか?
辛いですか? 切ないですか?
私はこの想いをあの人に届ける気はありません。
だって届いてしまったら終わりじゃないですか。
届かないから手を伸ばせる…想い続けられる。
ずっと、ずっと、あの人に想いを寄せられる。
届いてしまった瞬間に留まってしまうのなら、
私はこの想いがあの人に届いて欲しくありません。
いつでもあの人に向かう想いを抱いていたいから、
私はこの想いをあの人に届ける気はありません。
【届かぬ想い】
あの人は私に人間としての意義を教えてくれました。
あなたは私に愛するということを教えてくれました。
君が私に感情の豊かさを、良くも悪くも、酸いも甘いも、すべてにおける終着点を教えてくれました。
けれどもすべては私を通過していく。
存在すら知り得ぬ神様へ。
私はあとどのくらい、
あなたの試練を受けねばならぬのですか?
【神様へ】
PS,
先日♡1000をいただきました。
サボりながらも続けていて良かったです。
これからもよろしくお願いいたします。
ビルの隙間から覗く空はとても窮屈で、
鳥も少し飛びづらそうに羽ばたいている。
それに比べ山あいを悠然と飛ぶ鳥は、
しがらみもなくとても自由に見える。
それはきっと私もあなたも同じだった。
お互いを縛りたくなくて、縛られたくなくて、
ひとつの括りに収まることを望まなかった。
お互いを結ぶのは一通の手紙だけ。
あなたは今海の上にいると言った。
私は今広く青い草原の中にいる。
遠くの空へ投げかけるように、
私はまた筆を取って手紙を書く。
きっとあなたも同じでしょう。
「どこにいても空は繋がっている」
それが私とあなたの合言葉だったから。
【遠くの空へ】
私のこの感情を、想いを、
胸に宿る小さな熾火を、
どう言い表せばいいのか。
黒く沈んだ澱の重さに、
自分自身が引きずられる。
何も見えず、息もできず、
言葉も出ず、何も聞こえない。
何も触れず、揺蕩う浮遊感。
指先のひとつも動かせずに、
ただ深く、深く、堕ちていく。
もう何も言葉にできない。
後戻りも…できない。
それでも君と出会う前に戻りたいと、
思ったことも、考えたことも―――無い。
【言葉にできない】