ビルの隙間から覗く空はとても窮屈で、
鳥も少し飛びづらそうに羽ばたいている。
それに比べ山あいを悠然と飛ぶ鳥は、
しがらみもなくとても自由に見える。
それはきっと私もあなたも同じだった。
お互いを縛りたくなくて、縛られたくなくて、
ひとつの括りに収まることを望まなかった。
お互いを結ぶのは一通の手紙だけ。
あなたは今海の上にいると言った。
私は今広く青い草原の中にいる。
遠くの空へ投げかけるように、
私はまた筆を取って手紙を書く。
きっとあなたも同じでしょう。
「どこにいても空は繋がっている」
それが私とあなたの合言葉だったから。
【遠くの空へ】
4/13/2024, 5:52:11 AM