月が凪ぐ夜

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ビルの隙間から覗く空はとても窮屈で、
鳥も少し飛びづらそうに羽ばたいている。
それに比べ山あいを悠然と飛ぶ鳥は、
しがらみもなくとても自由に見える。

それはきっと私もあなたも同じだった。
お互いを縛りたくなくて、縛られたくなくて、
ひとつの括りに収まることを望まなかった。

お互いを結ぶのは一通の手紙だけ。
あなたは今海の上にいると言った。
私は今広く青い草原の中にいる。

遠くの空へ投げかけるように、
私はまた筆を取って手紙を書く。
きっとあなたも同じでしょう。

「どこにいても空は繋がっている」
それが私とあなたの合言葉だったから。

【遠くの空へ】

4/13/2024, 5:52:11 AM