やわらかな日差しが差し込む部屋にあるベッド
その上には人が寝ていて、周りを大勢が取り囲む
手を握ったり感謝などの言葉を伝えたり…
アーレントはその中で浮いていた
戦死する者を見送ることが多く、このように面と向かって
火が消えていく瞬間に立ち会うことがなかったからだ
「おいで、私の友…アーレント。」
この子の声はここまで弱々しかっただろうか、
伸ばされた手はこんなにも皺ができていたのか
流れる時の違いをあまり気にした事がなかった
だってどうせみんなすぐに死んでしまう
なんて声をかければいいんだろう
どうしよう、と手を握り立ち尽くす
“……ぁ、………。”
ぱくぱくと口を開いては閉じて言葉を探す
「泣かないで、アーレント。君を置いて行ってすまない。
我が孫たちとも仲良くしてやってくれ。
今まで本当にありがとう。」
困って泣き出しそうな表情だったアーレントを見て、
金髪の前王は話す
今にも消えそうな声でゆっくりと
“…僕は今まで涙が出て泣く、という経験をした事がない。
でも、君が言うなら…そうなのかもねぇ。
君と過ごした約80年はとても楽しかったよ、クランツ。
よくここまで生きてくれた。僕が飽きるまではこの国に
いるから安心するといい。”
ふわ、口角をあげ王は頷く
「良い、人生だった。グランローヴァ様と友人になれただけ
でなく良き妻と賢い子供達ができた…ありがとう…」
そう 言って
彼の瞼が下りた
皆が涙を流し、別れを惜しんでいる
“…ゆっくりおやすみ、クランツ。またいつか、どこかで。”
寂しげに微笑むアーレントは幼子をあやすように頭を撫でた
その数年後、彼の孫娘のデビュタントのお相手はクランツ王と揃いの礼服を来た淡い青や紫がかった銀髪の人物だったそうな……
冬のはじまり
ストーブに火を付けて、上にミルクパンをのせる
もちろん中には牛乳を入れて、温める
生クリームととき卵、それに砂糖を入れてすこし温めてから
ナツメグを数量入れる
そうすると冬の寒さを温めるエッグノッグの完成だ
シナモンを最後にかけて、お好みでブランデーも入れる
子どもにも大人にも人気な北米の飲み物
僕は寒くなってきた頃に甘い香りを思い出す
まだ
まだこの人の命は途絶えていない
とく、とく、と流れ出る赤い液
大きく開いた傷口が、死に至るとしらせる
まだ途絶えてはいない
だが…時期に途絶えてしまう
魔法を使う容量で魔力を紡ぐ
ほそく、細く紡いでいく
“聞こえるかい?君の傷はいずれ死に至るものだ。
クランツ、絶対に助けるから…諦めないでね。
君のこの生を、終わらせないで。遺言なんて聞かない。”
コク、と小さく頷く彼を見て少し安心する
さあ!神とも呼ばれてしまった魔法使いの力を見せようか!
我が友をそう易々と死なせてなるものか
後日金の穂が揺れる寝室でお茶会が開かれるだろう
魔法使いの上機嫌な鼻歌と共に
書きたいのでメモ
「愛情」
これとべつの書きかけ達は確定で取っているお休みの日に
書きます:)
太陽の下で
彼らは歩き続ける
人間というものはいつの日も歩いている
疲れて休んだって 怪我をしたって どうしても心は急ぐ
ゆっくり止まれば良いのに
疲れたと言いながら何かをしなければ と言う
なぜだろう
人間が考えて動く生物ゆえか 止まらないよう生まれたのか
僕には何もわからないけれど
見倣って歩く
不老不死者であったとしても
人間の彼らと隣り合って歩き 時間を共に過ごしたいと願う
僕は月の下を歩くから
太陽の下歩く貴方たちは随分と眩しいけれど
それでも歩き続けよう 刻み続けよう
時を 歴史を
終わりがあるから始まりがあるのだから
うんと楽しんで