「ずっと一緒だよ」
そう言って笑ったアイツの顔が脳裏をよぎる。俺たちはそんな不確定な口約束だけで繋がれていた。
しかしそこにはたしかにお互い感じあってるものがあって。俺らはそれを「シアワセ」って呼んだ。
でも、所詮こんなものだ。人はすぐ簡単に死ぬ。不確定なものはすぐにもやとなり誰の心にも留まることはない。そうだろ。なあ、応えてくれよ。
俺はそっと横の女を揺する。しかしこの女もアイツのまがいものに過ぎない。違う、違うんだよ。何もかも。アイツの温もりも、俺の心の空白もこいつなんかで埋まるわけねえんだよ。
.....なあ、どこにいるんだよ。
お前、言ったよな?「ずっと一緒だ」って。嘘じゃねえかよ。何勝手に死んでんだよ。その言葉がどれだけ俺を救ったか分からねえくせに。俺らはずっと一緒だろ?
そうだろ、なあ。
......応えてくれよ.......
俺の声は気づけば震えていた。ぽとりぽとりと頬を水が伝う。なんだよ、なんの水だよ。俺は慌てて服の裾でこするが、止まらない。むしろどんどん溢れてくる。
そうだ。アイツはもう居ない。どれだけ俺が名前を呼んでも、振り返ることすらしてくれない。わかってるのだ。しかし心のどこかであいつを欲する度に胸の空白が大きくなって行く。
俺はきっとこれから先もあの言葉に囚われながら生きていくだろう。
だいぶ待つことになるかもしれねえけど、もし俺がそっちにいったら、約束通りずっと一緒にいようぜ。
約束、応えてやる。だから.....その時まで待っててくれないか?
zene
こつこつ。遠のいてゆく足音。
ああ、また行ってしまうんだ。気づけば私の周りには誰1人として、残っていなかった。
私は今日も孤独な世界を生きて行く。道標なんてない。あてもない、考えるだけで気が遠くなるような旅路をゆっくりと歩いていく。
ーどうせ誰も見つけになんか来やしない。
私は心の中でどこか諦めている節があったのだろう。だからこそ、貴方の登場にはとても驚いた。
真っ黒な世界でたった一つ灯った小さな灯り。
私は気づけばその灯りに手を伸ばしていた。お願い、私を見つけて。この暗い世界から連れ出して。
そして
行かないで。
それは私の心からの叫びだった。
zene
ガラスはいつ見ても透き通っている。
そしてあの娘も透き通ったような白い肌に、真っ白なワンピースを身に纏っている。
それはまるで天使のようで。到底僕が近づけるはずなんてなくて。
でも、わかっているくせに
僕はその娘に恋をしてしまった。気づけば僕は、その娘の手を握って走っていた。
ガラスのような透き通った透明な世界を、たった2人きり、走り抜けていく。
こんな透明な空間に色をつけれるのは僕らだけだ。
さぁ、今日はどんな色を塗ろうかな。
zene
何も無い場所で、たった1人、君だけの声が響いてる。
それはどこか嬉しそうで、されど、儚げで。
まるで私の心に語りかけているみたい。
その声は言った。
ー君はここには来ちゃいけないー
どうしてだろうと思った。理解出来なかった。
そこでふと、思い出す。
...そうか、ここは三途の川なんだ。もう少しで黄泉の国に行くところだった。
私の目から何故か涙が溢れてきた。
もう少し私は生きてみようと思う。
zene
クリスマスー。それは恋人たちが集う聖なる夜。しかし、クリスマスは恋人たちが集う日だけではないのだ。美味しいものを食べたり、音楽を聴いたりする過ごし方もあるだろう。そして何より忘れては行けないのはそう、プレゼントだ。25日の朝枕元にプレゼントが置いてあるのを確認して喜ぶ子供達。1年頑張った自分へのご褒美に自らの欲しいものを買って満足げな表情をする大人たち。様々な過ごし方があると思う。だからあなたの思うように過ごすといい。さあ心ゆくまで今日という日を楽しもう!
zene