zene

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こつこつ。遠のいてゆく足音。
ああ、また行ってしまうんだ。気づけば私の周りには誰1人として、残っていなかった。
私は今日も孤独な世界を生きて行く。道標なんてない。あてもない、考えるだけで気が遠くなるような旅路をゆっくりと歩いていく。
ーどうせ誰も見つけになんか来やしない。
私は心の中でどこか諦めている節があったのだろう。だからこそ、貴方の登場にはとても驚いた。
真っ黒な世界でたった一つ灯った小さな灯り。
私は気づけばその灯りに手を伸ばしていた。お願い、私を見つけて。この暗い世界から連れ出して。
そして
行かないで。
それは私の心からの叫びだった。

zene

6/23/2025, 9:21:36 AM