記憶は美化されるものだけれども
それでも忘れられないものってあるよね
楽しかったこと
美味しかったもの
一緒にいた人が違うだけで
いつもの出来事も特別になる
憧れの先輩と一緒に
ポテトを食べながら歩いた帰り道
その日は何故か2人だけだった
優しくて背の高い人気のある先輩
ドキドキしながら
いつものように話しながら
特別な時間を喜んでいたっけ
いつまでもこの道が続くといいのにと
わざとゆっくり歩いてみたな
夕焼け空の下り坂を歩くと
その時のことを今でも思い出す
先輩の笑顔と夕日
どっちも眩しかった若かりし日の思い出
「きっと忘れない」
追いかけ走り抜ける雲の影
道の先に揺らめく陽炎
風に頷く大きな向日葵の花
蝉の大合唱に眩し過ぎる陽射し
昔から変わらない夏の風景
違うのは
夏休みだというのに子どもの遊ぶ声がないこと
変わったのは人の環境
自然の中思いっきり遊ぶというのは
もうできないのだろうか
木陰で伸びきっている猫を見て
まだまだ暑い日は続くのかと
秋を心待ちにしている自分に苦笑しつつ
麦茶を取りに冷蔵庫へと向かった
「足音」
何時だっただろう
記憶にあるあの日は
幼い日の暑い日としか覚えていない
知っているはずの小さな里山で
一人彷徨い歩き続けた
空はもう夕陽で染まり
夜の闇が迫りつつある中
知っているであろう木を探して歩き回った
背の高い雑草と枝の折れる音
鳥の羽音と風の音
怖くはなかったけど怒られるという恐怖
どうしようという焦りが大きくなっていった
風に押され草を掻き分け歩くうちに
いつも登っている木が見えてきた
帰れる!
後々考えると
あの里山は迷う程大きくもないし
後日遊びに行った時も
あんなに背の高い草はなかった
あの日の記憶は夢なのだろうか…
今も時々思い出す
あの暑い日の出来事
「終わらない夏」
私の居ない所での君は
何を見て何を感じているのだろう
君が話してくれる景色を考えて
一緒に見たように思っても
そこには私はいないんだよね
ちょっと寂しい気分になるのは
やっぱり君のことが大好きだからかな?
私と居ることがどの景色よりも
最高のものとなるように
共にいる時間を大切にしていこうね
何時でも何処でも
そこには私が居るように・・・
「君が見た景色」
貴方が近くにいる時は
表情も思考も一時停止してしまう
貴方に話したい事はいっぱいあるのに
いつも家で挨拶や話しかける練習もしてるのに
声が聞こえたり姿を確認した途端
全てがパンクしてしまう
多分顔は真っ赤で引き攣ってるんだろうな
それでも貴方が近くにいることは
私にとっては本当に幸せなの
いつかは
笑顔で自然に貴方とお話できるといいな
「言葉にならないもの」