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9/25/2025, 10:10:02 PM

「パラレルワールド」

私と彼はコロナ禍の前に
旅先で出会った
私は仕事の有給休暇を使い
京都に行き彼と出会ったのだ

私はその時
会社の中の恋愛で疲れていた
そんな事もあり、傷心旅行で京都に旅をしていた

彼から見たら私はどう写ったのだろうか
彼は清水寺の景色のいい場所で
私に話しかけた
「僕のスマホで僕を撮ってくれませんか」
私は「いいですよ」と答えた

彼のスマホ越しに見える
清水寺からの景色は本当に素晴らしかった
一番いい景色を捉えると
彼と一緒にスマホカメラで撮った

「ありがとうございます」
彼はそう言うと少し視線を落として私に言った
「実は僕は彼女に振られたんですよ」
私は答えた方が良いと判断した
「実は私もなんです(笑)」
彼は「そうなんですか!奇遇ですね」と言った

私は「ここからの景色は綺麗ですね」と言い
しばらく何気ない話をした
彼は愛知県に住んでいると言った
私は神奈川県だ

お互いの事を話しているうちに
私はひょっとしたらと言う気持ちが湧いたが
彼とはそれ以来、会っていなかった

それから、半年が経ち
世の中はコロナ禍で大変な事態に陥っていた
外に出られない
仕事もリモートワーク
人と全く話さない日も増えた

私は京都で会ったあの人の事を
思い出していた

そんなある日
ふと、インスタグラムを見ていたら
あの日の私が撮った写真を
アップロードしている彼がいた

「あ!声をかけよう!」と思って
コメントを記入した
「京都旅行は楽しかったでしょうか
 この写真を撮った者です
 お元気でしたか」

今、その彼とは穏やかな関わりを続けている
熱量のある恋人同士ではないけど
日々のあった事や 
悩みを言ったり
聞いたりする仲になった

コロナ禍だからネットの中で私達は話した
遠距離親友と言ったところか

時計の針は彼も私も同時に進む
時間が前に進むものなら
穏やかに柔らかい時間を過ごしたい
自分が消耗する恋愛はもう出来ない
恋愛は頑張るものではない

彼はいつしか
遠距離友達から
特別な人になっていた

そして、コロナ禍が過ぎた頃
彼から1枚の葉書が届いた

「結婚を前提にお付き合いしてください」
私は早速、とっておきの葉書を選び
ペンをとった

9/24/2025, 9:20:27 PM

「時計の針が重なって」

私達はお付き合いをしてる
恋人同士

お互いに社会人だから
夜中の時間を利用して
LINEで会話をしていた

土日の会える時間以外は
平日の夜はよく話した

とはいえ、仕事で帰って来た後で
私は疲れてもいたから
夜の12時は大体
彼の声を聴きながら安心して
寝落ちしていた

彼の声…
何故か安心して
明日が来ても良い
私にはしっくりする声

彼の香りも思い出す
香水を使わなくても
彼の香りは
私には良い香りだった
安心するし
好きな香り
彼に会いたい

今日は会社で嫌な事があり
彼に聴いて貰っていた
彼は私を否定せず
相槌を打ちながら
聴いてくれた

私は彼に受け入れられてると言う
気持ちの中
また、寝落ちしてしまった

9/23/2025, 9:36:46 PM

「僕と一緒に」

僕と一緒に行こうよ
そう言われた時は
とても嬉しかった

私がいつも一人でいて
私がいつも寂しそうにしているのを見て 
私がそう言ったら嬉しいだろうと思って
言ってくれた言葉

それからの先の道は
正直見えてなかったんだけど

30年後の今は
確かに言える

あの時に感じた言葉の温かみ 
貴方の気持ち
私をずっと見てくれていたこと

私にとって大事で
今も貴方は私には大事にしたい
貴方を好きな自分も好きになる

運命の人

9/22/2025, 9:46:44 PM

「cloudy」

秋だなあと空を見て思う機会が多くなった

うろこ雲、いわし雲、さば雲、
ひつじ雲、すじ雲…

朝にもひつじ雲を見かけた

太陽の光と秋の雲の共演はまさに芸術作品

綺麗なんです

今日も涼しくて
過ごしやすい日が続いている

自然の造る景色を見ていると
私もそのままでいいんじゃないか
人からどう見られたって
いいんじゃないかと思う

自然は意図せず美しくて
誰が見てようが見てまいが

そこに佇んでいる

空が綺麗なのは
無心だからなのかも知れない

9/21/2025, 9:50:44 PM

「虹の架け橋🌈」

その年の秋
私は大失恋をした

私が尽くし過ぎたのが
悪かったんだろうなとも思うけど

相手は私にウンザリしているようだった
相手には新しい恋人もいて
幸せそうだ

私はしばらく泣けずにいた
長く付き合っていた人
私にとっても大事な人だと思っていた

泣けずにいた期間
私は部屋にこもり
心を閉ざしてしまった

しかし、ある日
暗い部屋が嫌になり
散歩に行きたくなって
外に出た

外は昨日の夜からの雨で
あちこちに水たまりが出来ていた

ふと、水たまりを見ていたら
空が映っていて
虹が見えた

その瞬間、私は泣いていた
あんなに泣けなかった私
上を向くと虹が空に大きくかかっていた
本物の虹を見るのは久しぶりで
私はまだ泣いていた

私は空を見ていると
友達から見てもらっている気がする
「いつも、見ているよ。大丈夫」
って言われている気がする

その日の虹は
いつもの空と変わらず 
綺麗な空だった

泣いて泣いた後
私は少し笑顔になれた

それは心に架かる小さな虹みたいだった

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