人肌に触れたい。
僕の心の空洞はいつまで経っても埋まらない。ただ人と触れ合うことだけを求めてる。人に見られたい。好かれたい。話したい。触りたい。笑い合いたい。愛されたい。愛されたい。愛されたい。
深く息を吸って、肺を潰すように吐き出して、そして、あの人を、僕だけのあの人を、食らい尽くすように吸い込んで。あったかくして眠りたい。
幸せになりたい。
『星に包まれて』
冷たい空気が喉を通り過ぎていく。寒い。息が白くなって夜空を曇らせる。寒い。こんな薄着で外に出るべきではなかった。衝動的とはいえ、僕はもっと頭を使うべきだ。なんなんだ、みんな、予定があって、楽しそうで、人生を謳歌している。ずるいじゃないか。僕を置いて、僕を差し置いて、羨ましくて。羨望が、僕の思考にまとわりついている。でも怠惰な僕は、動かず、ただ羨望して、孤独に篭っている。惨めで死にたくなる。家族もデリカシーがないってもんだ。「友達と会わないの?」なんて、僕が一番願ってる!うるさい!、そうやって感情的になって、結局今、冬の夜空の下で一人。このまま凍えて死んでやろうか。僕との予定を捨てたあいつらが悪いんだ。僕は、いや、僕が悪いか。
なんとなく公園の滑り台に登った。冷たい。握る鉄は溶けることのない氷のようだ。この体躯にはもう到底似合わない滑り台。僕はもう子供ではないのだと実感する。冷たい。少し狭いと感じながらも体を滑らせる。服が捲れて素肌が鉄に触れた。冷たい!でも起き上がらずそのまま熱を奪っていく鉄に身を委ねた。星が見えたから。
星は良い。それは孤独だからだ。やつらはどんなに近くても数万キロとかの、ほぼ無関係みたいな距離を保っていて、互いに認識はしていても触れ合うことはない。まるで今の僕だね。そうだな、今日だけは、僕は星になろう。星になれば画面を隔てた関係なんて気にならない。みんな惑星とか衛星とか、認識さえしていれば良い。触れ合えることなんてないんだから。触れ合う事はしなくて良いんだから、いくらか楽に生きられそうだから。
『静かな終わり』
「またみんなで遊ぼうね」君はそう言って、僕を切り離した。いや、僕が自ら腕を切ったんだ。君を傷つけてしまうのは、嫌だから。これ以上、君を傷つけてしまったら僕は、僕はどうやって死ねば良いか悩んでしまう。
僕をバラバラにしてくれ。意識が分散して、個として成り立てないほどに。少し、痛いかもしれないけど、それくらいしないと僕は、君を傷つけた奴を許せない。
もし、君が傷ついてないとしたらって?そんなの実際どうでもよくて、ただ単に僕が、僕のことを気持ち悪いと思うから、勝手に処理をしたいだけなんだ。この気持ち悪い自分自身を埋める言い訳が欲しかった、それだけなんだ。
あぁ、もちろん君のことはちゃんと好きだよ。君に嫌われてから人生が楽しくない。色彩を失ったみたいに。秋の紅葉も、色鮮やかな聖夜も、きっと僕はもう楽しめないと思う。それくらい君が、僕の世界だった。
そんな君に嫌われたんだ。僕はもう時期死ぬだろう。
『心の旅路』
遠く
空気が澄んでいる
果てしない道
ひとりぼっちで
空はずっと淡い藍色で
僕は歩いていた。
少し向こうの地面で
何かが光を反射して
僕はそれを手に取って
それは
小さな小さな硝子だった
半透明で、光に透かしても
向こうは見えない
はぁとため息を吐いて
また目的もなく歩き出す
昨日は路肩で座り込んだから
今日は歩こう
疲れたら休んで
なんとなく前を目指して
それで、
それで、どうしようかね
『祈りを捧げて』
僕は毎朝、手を合わせてあなたを想う
あなたは僕の神様だから。
あなたを見ている僕は
きっと綺麗で入れるから
あなたを感じれる僕は
きっと正しくあれるから
あなたという存在が
僕を世界に馴染ませてくれるから
だからあなたに祈る
“今日も、明日も、明後日も
来週も、来月も、来年も
僕が人間であれますように”と
人間でなくなってしまうと
あなたに会えなくなってしまうから。