旅舟

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5/8/2024, 10:29:39 AM

詩『一年後』


一年後って言葉に
僕はしあわせ描いてた
一年後って言葉に
君は恐怖を抱いてた

同じ日、同じ場所、
同じアイスを食べながら
違う目線、違う体温
違うバスへと乗っていた

永遠のなかの一年後
僕は旅行の予約した
おとずれないって一年後
君の手紙は遺書だった

5/7/2024, 10:34:57 AM

詩『初恋の日』


幼稚園の昼休み
きみはボクに遊ぼうって言った
赤い手袋をつかんで走って
いっしょにブランコで遊んだね
とても寒い冬だった

あれからたくさん恋をした
節操もなく色んな人を愛した
泣かされたことも傷つけたことも
大切な人に再会(であ)うための試験
それに気づいた春が来た

デイサービスの送迎車
きみは無邪気に笑って手を振る
何処へ行くのか?いま何歳なのかも
なにも分からぬ少女になってる
だから毎日、初恋の日

5/6/2024, 10:48:11 AM

詩『明日世界が終わるなら』


明日世界が終わるなら
きみは今からどうしたい?

貯金全額引き下ろし
ごちそう食べて歌おうか

それともずっと片思い
彼に告白してみるかい?

きっと強盗、殺人と
暴走してゆく人も出る

明日世界が終わるなら
ぼくはふつうに暮らしたい

お金や欲望なんかより
小さなしあわせだけでいい

何かを手にすりゃ惜しくなる
希望ぐらいがいいんだよ

明日世界が終わるなら
きみと缶コーヒー飲んでたい

5/5/2024, 11:51:52 AM

詩『君と出逢って』


テレビの電源ボタン、押したように
サブスクで曲名、選んだように
夜空に咲く花火に、驚いたように
ペット屋の仔犬と、目が合ったように

君と出逢って、地球は回った
人生がスタート、動き出したんだ
君と出逢って、恐怖も知った
一人占めしたくて、愛しすぎてゆく

いつもはしない料理に、挑戦したり
下手クソなスケッチ、書きたくなったり
嫌いな勉強さえも、楽しくなったり
両親の小言も、素直に聞けたり

君と出逢って、地球は回った
すべてがいとしく、感じ出したんだ
君と出逢って、自分を知った
何もかも持ち合い、愛し合いたくて

5/4/2024, 12:08:53 PM

詩『耳を澄ますと』

眠るまえ、耳を澄ますと
静寂が聞こえる

それは冷蔵庫のコンプレッサー?
それはレコーダーの回転音?
それは自動車の走行音?
それは夜行性の虫の生きる声?

そして、どっくんどっくん
私の心臓の音がする

眠るまえ、耳を澄ますと
静寂が聞こえる

静かだけれど無音じゃない

非情で冷たい世の中だけど
悲しく苦しい人生だけど
耳を澄ますと、聞こえてくる
それだけじゃないと
優しい音が…、

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