詩『二人だけの秘密』
恋の栄養素は
二人だけの秘密
増えるほどに燃える
そっと触れたキスも
二人だけの秘密
ショーの開演ベル
怒鳴りあった夜も
二人だけの秘密
維持と未練のハート
さようならのことば
二人だけの秘密
胸のおくで…凍結
詩『優しくしないで』
手加減しないで
同情しないで
見下してるの?
こどもあつかい?
愛しているの?
勘違いさせないで
そう
優しくしないで
ずっとあいつは
ライバルなんだ
いいわけしないで
手を貸さないで
ごめんも言わないで
頭を撫でないで
肩を抱かないで
好きにさせないで
ああ
優しくしないで
いつもあいつで
いっぱいなんだ
仔猫のわたしは
あいつに夢中
詩『カラフル』
その言葉を手のひらに乗せて
30分くらい考えたかなぁ
ちょっと古いが…初恋の小説
昼の映画館…とびでた景色
USJやネズミの国なら
景色も乗り物もそこにいる人も
みんなカラフル弾けるポップコーン
そうか生きている力強さだね
人は暗い洞窟から生まれ
劇薬の恋に死にかける
絶頂と絶望のアトラクションに乗り
どんなカラフルも昼間の笑顔
詩『楽園』
母のために
必死に集めてきたんだ
僕の机の上に散らばった
いろんなカード
パラダイス
極楽浄土
シャングリラ
エデンの東
ハライソ
ユートピア
桃源郷
「坊や、こっちへおいで」
そんな声に誘われて
僕はある扉のまえに立った
「のぞいてごらん」
扉はカギが掛かっていて開かない
カギ穴から向こうが見えた
「それが楽園です」
あるようで無いもの
ないようで有るもの
人間はのぞくことしか出来ない?
「母は助けられないの?」
フフフフ。
笑われた?
「今、この瞬間が奇跡です」
地獄に見えてる毎日も
目の錯覚で真実とはかぎらない
「僕はもう、楽園にいるの?」
詩『風に乗って』
海の見える丘の上のホテルへ
白い波と浮かぶヨット…眩しい太陽
緑深く虫や鳥の鳴き声
古い椅子の高原列車…山頂めざして
知らぬ町と知らぬ人と会いたい
今の自分なんて捨てて…暮らしてみたい
花になって空になってたたずむ
時もわすれ風に乗って…あなたを想うの
機械仕掛けの急ぐ人の摩天楼
車、ノイズ、仮面の群衆…都会の交差点
故郷なんて駅と山とおみやげ
懐かしいと感じるほどは…まだ愛してない
知った町と知った人をたずねて
過去の自分に会ってみたい…辛そうだけど
無鉄砲な風に乗って旅する
それが人の人生ならば…あなたにいて欲しい