詩『楽園』
母のために
必死に集めてきたんだ
僕の机の上に散らばった
いろんなカード
パラダイス
極楽浄土
シャングリラ
エデンの東
ハライソ
ユートピア
桃源郷
「坊や、こっちへおいで」
そんな声に誘われて
僕はある扉のまえに立った
「のぞいてごらん」
扉はカギが掛かっていて開かない
カギ穴から向こうが見えた
「それが楽園です」
あるようで無いもの
ないようで有るもの
人間はのぞくことしか出来ない?
「母は助けられないの?」
フフフフ。
笑われた?
「今、この瞬間が奇跡です」
地獄に見えてる毎日も
目の錯覚で真実とはかぎらない
「僕はもう、楽園にいるの?」
4/30/2024, 3:24:57 PM