詩『刹那』
それはキリリと痛みがあって
ぎゅっと心臓、絞めつけて
まるで悠久ようにも感じ
ぱっとこの手をはらいのけ
それはせつないお別れであり
キンと冷たく拒絶して
ぽろり涙のながれる時間
それでもふたたびつかみたい
あなたへの思い
それに名前をつけたなら
きっと「刹那」が合うでしょう
病院のベッド
そこであの世にあらがって
私の愛が生きている
それは夜中に電話があって
ドキッとしてから記憶がない
月は夜空でのんびりしてて
体の震えが止まらない
あなたへの思い
いつも最後を意識して
会えば「刹那」がそこにいた
病院のベッド
だけどあの世はまだ早い
私の愛を抱きしめる
(今夜、家族の急変の電話があり…)
詩『生きる意味』
生きる意味
ソクラテスはこう言った
人生の目的は幸福だと
魂を磨くことだと
生きる意味
宗教家はこう言った
誰だって一人では生きれないと
支え合うことが大事だと
生きる意味
このばかたれはこう言おう
意味なんて無くていい生きるんだと
それだけで君は美しい
(*今日は哲学の祖ソクラテスの命日です)
詩『善悪』
善悪は
まるで砂糖と塩か
砂糖はなくても生きられる
けれど「つまらん」人生だ
塩はなくては生きられぬ
そして過ぎれば殺される
甘しょっぱい
菓子をぼりぼり、ゴクン
好きとか嫌いはいいけれど
きっとどちらも君らしさ
腹八分目がちょうど良い
善悪なんてー、人の数
詩『流れ星に願いを』
「あっ、ながれぼしー」
10才の娘が必死に祈る
まだ夢を見れる歳のようだ
「なぜパパ、祈らないの?(怒)」
今度はお説教だ…こうべを垂れる
ママそっくりになってきた
病院の帰り道
願いを叶えてくれるなら
世界中の夜空を探すだろう
余命を聞いた日から
この世に裏切られた気がして
何も信じていなかった
娘は裏切られたとそう言って
流れ星を恨まないだろうか
「あっ、また星だっ、パパっ!」
私は妻の奇跡を祈った
一日でも長くこうやって
ママのことを願う時間を作ろうね
流れ星に願いを
そうさ、だれも信じてはいない
信じたいだけなんだ
流れ星に願いを
だから、だれも恨みもしない
「大丈夫?…元気を出してパパ」
そっか、わかってるのか
私を、励ましたかった演技なのか
娘は私より、大人のようだ
満天の星くずと
手をつないだシルエット
娘の笑顔が、私の流れ星だ
詩『ルール』
憲法、法律、条例、規則、常識
それらの執事か秘書さんか?
ちいさな下っぱのルールくん
破ってしまえば気持ちいい
殴られ役の噛ませ犬
それでも必要なルールくん
きゃんきゃん、ミャアーミャアー
面倒見の良い飼育員
ほんとはヒーロー、ルールくん
スーパーマンかウルトラマン
あこがれてるけど手は出さない
基本はお願いルールくん
ワールドカップやオリンピック
スポーツの世界じゃ神様だ
一世一代、鬼ルール
いろんな顔して追いかけてくる
けっこう嫌われ泣いてるけれど
やっぱりともだち、ルールくん