詩『流れ星に願いを』
「あっ、ながれぼしー」
10才の娘が必死に祈る
まだ夢を見れる歳のようだ
「なぜパパ、祈らないの?(怒)」
今度はお説教だ…こうべを垂れる
ママそっくりになってきた
病院の帰り道
願いを叶えてくれるなら
世界中の夜空を探すだろう
余命を聞いた日から
この世に裏切られた気がして
何も信じていなかった
娘は裏切られたとそう言って
流れ星を恨まないだろうか
「あっ、また星だっ、パパっ!」
私は妻の奇跡を祈った
一日でも長くこうやって
ママのことを願う時間を作ろうね
流れ星に願いを
そうさ、だれも信じてはいない
信じたいだけなんだ
流れ星に願いを
だから、だれも恨みもしない
「大丈夫?…元気を出してパパ」
そっか、わかってるのか
私を、励ましたかった演技なのか
娘は私より、大人のようだ
満天の星くずと
手をつないだシルエット
娘の笑顔が、私の流れ星だ
4/25/2024, 11:11:28 AM