ヤツノ

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10/4/2025, 2:46:09 PM

普段
「こうだったらいいのに」みたいな
想像はしないようにしていますが
どうにも羨ましくなったのでやらせてほしいと思います。

もしも、私が
白い毛皮をフワフワさせて
長い耳をそっと垂らした
ケージの中のウサギさんなら
きっと、
貴方は毎日顔を見せては
その手で食べものをご馳走してくれます
きっと、
貴方は私の自慢の体毛に触れては
柔らかい肉や細い背骨を優しく撫でてくれます
きっと、きっと、きっと、きっと、きっと、
寂しいからって触れさせてくれます

今日だけは理想論を吐いたので
少し胃のキリキリがすっきりしました
だって、まだあなたが好きなんですもん







10/1/2025, 1:11:42 PM

『厳しい暑さが残るなか、
いかがお過ごしでしょうか。』
走らせた鉛筆をふと止めて
何気ない感覚をどう言葉に表そうかと考える
『私の方は、もうすぐ
秋がやってきそうです。』
なんだか違う気がする
他に何か思い付くわけでもないゆえに
鉛筆をコロコロ転がす
『私の方は、もうじき
涼しくなってきそうです。』
なんともパッとしない。
開けた窓からしぶとい夏の風が入り込んでくる
外のカエデの木がゆれて
さわさわと声が聞こえる
あっ。床に一枚の葉っぱが落ちてた
半分だけ紅くなったカエデの葉っぱ
 これだ。
『私の方に、やって来た
      一枚の秋を贈ります。』

9/28/2025, 1:33:07 PM

向かい合う二つの顔はいつか離れていく
いつもいつまでも手を繋いでは
いられないのでしょう
いずれ、どちらかがさめてしまうから
いずれ、どちらかがきえてしまうから
いつまでも二人ではいられないなら
今あなたを愛するこの時間を
何よりも大切にしよう
たくさんの場所に行って
たくさんのことを喋って
離れてからも退屈することがないように
今日も手を繋いで歩こう。

9/24/2025, 2:31:49 PM

時計の針が重なって

9/23/2025, 12:20:10 PM

疲れきった顔に張り付く
白い霧
手で払いのけてはあるきだす
吐き出す重たい息が
石畳の路地裏に沈んでいった
レザーのハンチングハットの
並ぶショーケースに目がいったのは一瞬
今日の標的は目の前に
ポケットの中には
握りしめた相棒だけ
冷たい夜に少しずつ汗ばんでいく
息が上がる
誰もいないから
今、
手の中の刃が綺麗に光った
冷たいビックベンの鐘が鳴った夜
「僕と一緒に」

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