『厳しい暑さが残るなか、
いかがお過ごしでしょうか。』
走らせた鉛筆をふと止めて
何気ない感覚をどう言葉に表そうかと考える
『私の方は、もうすぐ
秋がやってきそうです。』
なんだか違う気がする
他に何か思い付くわけでもないゆえに
鉛筆をコロコロ転がす
『私の方は、もうじき
涼しくなってきそうです。』
なんともパッとしない。
開けた窓からしぶとい夏の風が入り込んでくる
外のカエデの木がゆれて
さわさわと声が聞こえる
あっ。床に一枚の葉っぱが落ちてた
半分だけ紅くなったカエデの葉っぱ
これだ。
『私の方に、やって来た
一枚の秋を贈ります。』
10/1/2025, 1:11:42 PM