4/7/2026, 10:11:03 AM
空にお月さまがのぼる頃
ようやくお家に帰ったけれど
指の間をなぞった熱が未だに消えてくれません。
並んで眺めたあの夕日が水平線に沈むとき
暖かいひかりを宙にのこして
ミルフィーユみたいに綺麗だったんですけど。
それ以外、あんまり覚えてないんです。
仕方ないですよね
ずっと気が気でなかったんですから
あなたがとなりにいたせいで
来月もまた行きましょうね。
次はもう少し早い時間に。
4/1/2026, 11:40:35 AM
「大丈夫。」
春一番に連れられて
蛍光ピンクの花びらは旅に出る
卓上灯のひかりが原稿用紙に
蒼白を残して私の夢は始まった。
4月1日 この日にだけはうそがつけるなら
そうして、日記にこう書き連ねていた。
不安はない 私は確実に結果を残すから
問題はない 誰もが応援してくれるだろうから
大丈夫 賞の端くれにくらい通るだろうから
「大丈夫。」
私はいま、元気だから
2/28/2026, 12:49:16 PM
遠くの町へ
強く吹いたのは顔に当たって
ひとりぼっちの唇を乾かす
故郷から離れて今
6寸先の砂原に足跡をつける
見えた
遠くの町へ
かの旧友は二十歳になった頃だろう
口の中に蓄えた
「ひさしぶり」
に命を吹き込んで
12/8/2025, 1:20:10 PM
吹雪のあとには静かな世界がやってくる
雪の積もったその下で
草は眠るように息をひそめる
風は強く空気を巻き込みながら
耳のすぐそばを掠めていく
すっかり白くなったトナカイが立ち上がっては
そのお腹を満たすものをどこか
探し始める
吹雪のあとには静かな世界がやってくる
静かな世界で静かに生きている
11/30/2025, 1:49:57 PM
「ただいま!今日学校でね、」
そこまで書いて手を止める
そして、考えた。
今日学校で彼女は何を見たのだろう
今日学校で彼女は何を聴いたのだろう
何を話したのだろう
何て人と遊んだのだろう
そうやって考える。
ゆっくりしっかり動く私の中で
静かに躍動的に彼女は生きている。
その命のまばたきを鮮明に描きとる。
これは、君と紡ぐ物語