ヤツノ

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疲れきった顔に張り付く
白い霧
手で払いのけてはあるきだす
吐き出す重たい息が
石畳の路地裏に沈んでいった
レザーのハンチングハットの
並ぶショーケースに目がいったのは一瞬
今日の標的は目の前に
ポケットの中には
握りしめた相棒だけ
冷たい夜に少しずつ汗ばんでいく
息が上がる
誰もいないから
今、
手の中の刃が綺麗に光った
冷たいビックベンの鐘が鳴った夜
「僕と一緒に」

9/23/2025, 12:20:10 PM