灰田

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8/27/2024, 10:42:59 AM

「雨に佇む」

私が雨に佇むならば、グレーの傘の内側に…
リアルな雨より遥かに優しい、水気を含んだ…
紫陽花の花を咲かせよう。

誰にも見えない花。誰に、見えなくてもいい花。
グレーの傘の内側いっぱい、
吹きこぼれるように咲かせよう。

風に花びらがこぼれて、私がそれを目で追っても、
君には見えない。
でも、淋しくはないの。…私がそうしたのだから。

雨の日の薄暗い傘の中に追放された花盗人が、
盗んだ花に取り巻かれて、佇んでいる。
追放したのは君だけれど、本当のところはわからない。
私が追放されたくて、されたのかもしれないよね?

孤独にたった独り、雨の中に佇むふりをして、
傘の中に培われた幻想の花に溺れる…

君に見えている私と見えていない私の乖離があるけれど、
君は片方の私だけしか知らないままでいていい。

ちょっと意地悪な気持ちで、誰にもわからないように笑う。


「ずっと知らないままでいて、いいんだよ」って笑う。



8/26/2024, 10:47:50 AM

「私の日記帳」

私は日記を書かない。書けない。
だから、日記帳もない。

何度も、日記はつけようと思った。でも、なんか違った……。

今日、こんな事があってこう思いましたって、簡単に書けばいいのにそれが、な~んか楽しくない。
萌えない。……😺。
どうやら毎日、自分の現状を記すのに興味がゼロだったらしい…。

特別楽しかったり、覚えておきたい事があったら、ノートの隅にメモする。
それが日記と言えば言えるかもしれないけど、私は「あったこと」はあんまり書かないのだ。それをすっ飛ばしてなぎ倒して、
どう感じたか、それだけをメモ書きする。
勢いにまかせるので、後から読むのに苦労するんだけど。…誤字脱字で。
しかもあったことは書かないので、文脈が行方不明になって??って思う。

多分、さあ書きましょう。と思うのも嫌なのだと思う。
その瞬間にもう書いているようでないと、気持ちが追いつかない。
だからそこら辺の広告の裏とかにも、ダーッと書いてる…。

それに、日記帳はこれだ!!っていうのを選んで買うから、気負ってしまうんだと思う…。
よそ行きの文章になって、これ誰!?ってことになったりして……「え?私もしかしたらホラ吹き?🙀」って気分になる。実にめんどうくさい…。

だから日記帳はないんだけど、ノートの買い置きはたくさんある。📒✨️
ダーッと書いてボロボロになる、「なんでもノート」なんである。


8/25/2024, 10:25:31 AM

「向かい合わせ」

背中合わせより、ずっと、気まずい…
目を見ているフリして、あなたの前髪を見る。

距離近いな、よけいなこと言っちゃいそうだな、
出来るだけ黙ってようかな、不自然にならないくらいな感じに。

…いろいろ考えた後、フッと力を抜く。
考えても無駄だ。なるようになるだろう…。

心はちょっと投げやり?な方へ傾くけど、テンパってる雰囲気は変わらないだろうな。

でも、いいかって、思う。

こうやって向かい合わせであなたと話す機会なんて、もうないかも知れないし。

ずらしていた視線をあなたの目に戻す。

ああ、笑ってるのね。ありがたい。

おもしろいことなんて言えないけど、雑談出来たら○🙆

気を使ってくれてるのかもしれないけど、笑ってくれたから○🙆

ちょっと憧れてることがバレてるとしても、まぁ、いいでしょう。ぜんぶ◎🙆

うん。…悪くない感じだね。私にしては上等だよね。……ね?







8/24/2024, 10:59:58 AM

「やるせない気持ち」

行き場なく、歩く。
どこにも誰にも辿り着かない思いを抱えて歩く。

はじめから辿り着かないとわかっているなら、
このやるせなさだって、持っていなくていいはずなのに。

孤立しても悲しんでも、それはいつか誰かが抱いた悲しみに似て、オリジナルなものなんて、私はなんにも持ってないのに、

人類の遠い記憶からまるで「こうやって苦しむんだよ」と強制されてるみたいに、「苦しい」は、苦しい…。

誰が…人はこうして苦しくなる。って雛形を作ったんだろう。
従わなければならないだろうか。
この、正体不明な光の、影に。

こんなにたくさんいる、人間が、
こんなにたくさん孤独を抱えている。

群生する生物なのに離れ小島みたいな心を作り出して、ひとりひとりに割り振るなんて、実に趣味が悪い。

神さまがそう創った…わけでもないだろう、と思う。それにしては効率が悪過ぎる。

そんなもんだと、OKしてきた、受け入れて引き継いで、新たに紡いだ状況が、どこかの時点で出来たなら人間サイドの責任かなぁ…。

いち抜けた、したいわ…。




8/23/2024, 10:53:57 AM

「海へ」

海へ連なる川を辿って、用もないのに海へ行く。

きれいな川ってわけでもないけど、魚が跳ねて、水母も浮かんで、油断してると大きな鷺が羽を休めていたりする。

てくてく歩いて行って、やがて海が現れると、ああ海だぁ……ってやっぱり思う。

川幅というものがすこーんと無くなって、突如、空虚になるくらいの広がりに不覚にも圧倒され…
ごみごみした街の果てに、淀んだ川から来た人を、裏切るようにひろがる青に、圧倒され…

別に何の用もなくやって来て、ぼーっとして、

そして川へ戻る道を折り返して帰る。


港町名物の、お弁当とお菓子を買って、
いかにもその為に来たんですよ。という顔をして帰って、海へのお散歩、終わり。



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