灰田

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「海へ」

海へ連なる川を辿って、用もないのに海へ行く。

きれいな川ってわけでもないけど、魚が跳ねて、水母も浮かんで、油断してると大きな鷺が羽を休めていたりする。

てくてく歩いて行って、やがて海が現れると、ああ海だぁ……ってやっぱり思う。

川幅というものがすこーんと無くなって、突如、空虚になるくらいの広がりに不覚にも圧倒され…
ごみごみした街の果てに、淀んだ川から来た人を、裏切るようにひろがる青に、圧倒され…

別に何の用もなくやって来て、ぼーっとして、

そして川へ戻る道を折り返して帰る。


港町名物の、お弁当とお菓子を買って、
いかにもその為に来たんですよ。という顔をして帰って、海へのお散歩、終わり。



8/23/2024, 10:53:57 AM