灰田

Open App
6/29/2024, 10:25:34 AM

入道雲を見ていると「夏」は、
幼い頃、図書館で読んだジュブナイルに描かれていた、王国のように思われる。

もう、本の題名も忘れてしまったけれど、
夏の「王国」は毎年律儀に巡って来て、心をワクワクさせた後、やがて別れの日には、切なく締めつけてくる。

夏の「王国」の入道雲は大いなる永久機関を隠した、不思議な機械の大船で、
あれに乗って夏の王女がスカートひるがえし駆けてきて、そして駆け去ってゆく。

悠長に見えて忙しない夏休みを、一緒に過ごそうとやって来る「王国」は、

油断してるとすぐ消え去ってしまう「夏休み」にも似ているかもしれない。

6/28/2024, 10:18:38 AM

夏が来れば来たで暑がりな私も、青空と入道雲
直射日光と、それに比例して濃い陰
木陰の思いがけない涼風

喫茶店の町中の木陰のような、ホッと息つく小空間
アイスコーヒーの小さな結露
町中で青空見上げて青い海思い
夕立ちにびっくりして、笑いながら駆け出し…

どぷんと水着の胸もとに打ち寄せる、力ある海の息吹も。

夏の独特な幸福はコントラストにあふれ……

暑いのは苦手だけれど

その割には悪くないって、思うのだ。

6/27/2024, 10:27:13 AM

ここではないどこかの夢を散々に、見続けて今「…飽きた」と呟く。
❁短歌

6/26/2024, 11:49:15 AM

君と最後にあった日は、ぼくが君を捨て去った日。
もう二度と会わないと誓った日。
だってもう、どうしようもない。

あの人に最後にあった日は、寒い寒い真冬。
手袋の手の握手を、生涯忘れない。

母と最後にあった日は、秋の最中の暗い朝だ。
もう届かないと知っていても語りかけ続けている。
もう届かない?…誰が決めたんだよ。届いているさ。
だって、もう届かないなんて、かえってありえなさ過ぎる。

最後を積み重ねて手を伸ばしぼくは、それぞれの愛おしさをぎゅっと抱きしめる。

あなたを無駄になんかしない。
ぜんぶ受け入れて、変わり続けるから。

6/25/2024, 1:51:55 PM

「繊細な花」の氷の花びらに透きとおる闇、掴み潰して、
❁短歌

Next