灰田

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6/14/2024, 11:14:31 AM

「あいまいな空ですね。」

あなたが言うと、私はひねくれているので、

「そこが良いです。」と返す。

いつもあなたが困るようなことを言っている…かな。
(ちょっと反省しないとなぁ)
もちろん口には出さず、あなたを横目でうかがう。

(ん?)
あなたは笑っていた。
なんかおかしい流れだったかな?と思うけど、

何で笑ってるの?なんて、聞き出すのもなぁ…

私たちはあいまいに、笑ったり戸惑ったり…

あなたが優しく笑っていたから、まぁ、良しとしようか…

6/13/2024, 10:23:13 AM

母は、紫陽花は枯れると醜いから嫌いだと言った。
私は、紫陽花は枯れても、美しいと思う。

私は花は買わない。
枯れても美しいから、捨て時がわからない。
母も花は求めなかった。枯れるのを見るのが嫌だったのだろう。

真逆の理由で私たちは、同じように花と関わる。

半分の空白を埋め合うように。

けれどそれは紫陽花のあずかりしらぬ事。

紫陽花は私たちには聴こえない歌を、きっと歌いながら咲いているだけ。



❁花は、今は時々、母のために供えている。
そして、バラバラになるまでそのまま。

6/12/2024, 10:29:16 AM

好き嫌い。好きで嫌い。
セロリは好き。葉っぱはトゲトゲして嫌い。
でもぜんぶ食べてしまう。
炒めたら食べやすくなるし。

あなた、も、そうなのかしら?
あなたは好き。でも、こっちを向いてくれないから嫌い。
でも、ぜんぶ…ぜんぶ…ぜんぶが欲しい。
きっちりいらないところだけ捨てるなんて、出来ないよ。
私、セロリの葉っぱも食べちゃうんだし。尚更ね…

でももしも、あなたを半分捨てる事が出来たら、
私たちの間に空白が生まれて、
そこでふたりで安らいでいられるかもしれない。

いらないものは、さよなら…
見なくなれば無くなるかもしれないわ。
さっぱり捨てられたら、きっと無くなる。

でも、私があなたの半分を、怖れながら捨てるなら…
それはきっと帰って来てしまうのだろう。

あなたが私を裏切るなら、
それは私の怖れの証拠品でしかないのかもね……

6/11/2024, 10:38:57 AM

「街」

私が暮らした街に雪が降る。
私が暮らした街に雨が降る。
私が暮らした街に日差しが降る。

私はもういないけれど、振り続けている。

かつて住んだ人々の声が夜空に満ちて、
重みに耐えかね落ちて来るのが、見えるみたいだ。

夜闇に銀色。
果てしなく振り続けるのは時間よりも、
心の方だ。

時間を振り払い心だけが降れば、いつか、
心の外殻は打ち壊され、弱く優しい心だけが降る。

私が暮らした街に雨が降る。

虹の雨が降る。光る雪が降る。





6/10/2024, 11:33:50 AM

「やりたいこと」

やりたいことは、パッと浮かんで来ること。
たとえば、コップを洗いたい、とか。
油断してると、やりたいこともやるべきこともドバっとやって来て疲れるから、注意深く細分化する。

絵を描いてみたいなら、
スケッチブックを1冊買ってみる、
色鉛筆を引き出しから出してくる、
棒が一本あったとさ♬もとい…
一本、線を描いてみる。

これでもかと細分化するのは、けっこう楽しい。
片付けも少しずつ…
ひとつひとつのものと出会い直すのは、
思い出に直面することになるからちょっと切ないけど、
きっちり終わらせるのに成功すると、
思い残すことの無い状態に少しでも近づけて、
氣分良い。

やりたいこと。
ちょっと紙ゴミ片付ける。
段ボール縛る。

でも、そういうのもいいけど、
自分の楽しみは後回しにしないで、ちょこちょこ挟み込んでおいたほうがいいかな。

全然、わがままじゃないし。
…むしろ命綱だと思う。

コップを洗って、
スケッチブックを開いて、
洗濯機回して、
好きな本読んで、
野菜を切って、
推しの新曲聞いて、
回覧板まわして、
新しい靴を履いて、

全部平等に愛することが出来たなら、言う事ないなあって思う。

…きれいごとかな?
でも、いくらめんどうくさくてもそれが、逃げるつもりも無い大事なことなら、どうせなら楽しくやりたいって思う。

大変な時期はそれどころじゃなかったけど、
そんな時間があったから、
「あって当たり前なこと」ってないんだよなあと思う。
それがわかったんだから、無駄じゃ無かった。

だから、
…ふんぞり返って不貞腐れるのはやめとこうかなーって思った。
なんか、それだけみたい。😸。



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