「ふたりだけの秘密」
★君を傷つけるひとは、いなくなってしまえばいいじゃないか…?
時間のはざまに置いていって、それで済ませてしまえば良かったんだ。
何であんなヤツ助けに戻ったりしたんだよ…
時間を自由に行き来する君の能力なら、そんなこと簡単だったのに。「ふたりだけの秘密」にしてしまえば、誰にもわかりはしないのに。
あいつは君を付け狙っていた。あいつの能力は僕たちが時間を移動することで出来た、新しい世界を壊してしまう能力だ。
あいつは、古い世界が好きなんだよ、既得権益が好きなんだ。
自由に生きれる世界を嫌うなんて、どんな悪者だよ、その上、君の能力を恐れて君を殺そうとしたんだよ?
…何で、助けたりなんかしたんだよ!
☆助けなきゃいけなかったの。
あなたの抱く殺意は、せっかくあなたのために創った世界から、あなただけを弾き出してしまうのよ。
もう、新しい世界は当分創れそうもないの。
私たちが抱いてしまった殺意こそが、その世界から私たちをスポイルする。
もし、彼を殺してしまっていたら、「この私たち」ではもうそこまで辿りつくことは出来なかった。
今は時を待つの。
ねぇ、わかって。
また最初から、創り直しだけど、今度こそ…
あいつには見つからずに、「あの世界」に辿りつくルートを見つけよう?
「ふたりだけの秘密」を、…しっかり創り出そう?
「優しくしないで」
もう、いじわるしないでよ!
やだね!
突っかかってばっか、やめてくんない!?
やだね!
いいかげん、素直になりなよ!
やだね!
ほんとにキライになるからね!
や…やだね …あれ?
………知ってるよ?ほんとはけっこう優しいとこあるんだよね…?ねぇ…
…え?
でもさ、………そんなに、優しくしないで………ね?
や…やだ…ね……(@_@;)💦💦あ、あれ…??
「カラフル」
世界はカラフルだ。綺麗だ。
けれどあふれる色彩は、私の内側にもある。
ふたつの色彩が響きあい、ひとつの風景をつくる。
盲目のひとの世界の、そのひとが思う色彩はどんなだろうか?
それも真実で、そして綺麗だろうな。
分かちあえない綺麗なものを、心にたくさん持って、人々がゆきかう交差点。
その雑多で透明な、透かし模様の風景…は
指を空(くう)にひらいて、その指のすきまから招き入れなければならない。
「きつねの窓」のように………
誰の心も宝石みたいに感じるだろう。
その涙のなかの美しい心も、
醜いとそのひとが悔いる心も、
喜びの月日も、
そうじゃない日も、
「楽園」
(こんなこと、叶ったら嬉しいなぁ…と遠くを見つめるのも、いいね。
そしてそれをすぐ、忘れてしまうのもいいね。)
「フランケンシュタイン」の怪物は、人間の愛情を求めても決して得られなかった。
あきらめなければならなくて、どんなに悲しかっただろう、と思う。
だけど物語の外側で、たくさんの人間が、
彼の悲しみに触れて…ああ、君の悲しみはまるで私の悲しみのようだと、その心を寄りそわせていったのだ。
君の預かり知らぬ遠い場所で、君の夢が確かに叶う。
君の望んだかたちじゃないけれど、
君が思ったよりも、ずっと深く叶う…
…こんなふうにして、時間も世界も超えて、叶う夢もあるのかもしれない。
誰かの悲しみが届き、誰かの幸福が芽吹く。
もしかしたら、もう、叶っているかもしれないと、思ってみるのもおもしろいかもしれない。
心を粒子みたいに彷徨わせて、固定された夢から抜け出して、小さく、小さく、叶えてゆくんだ…
言ってみれば楽園って、持ち運び可能で、
そう…だから…君の言葉や歌ですらなく、君そのものなんだと思うから…
…君という楽園の見る夢なら、
どんなに不思議な、微細で切なく、切実な叶い方をするんだろうね……?
君が、その夢が本当は叶っていたって知ったら、何て言うかはわからないけれど、(だって、誰だってわかりやすく報われたいものね…。)
誰かの孤独を雪ぐことが出来たってことは、知ってほしいなと思う。
「風に乗って」
風に乗って、
追い風に背中おされて、
向かい風に顔をしかめて、そして笑っちゃって…
君を振り返っておんなじ風に…
この、めちゃくちゃな風に吹かれて…
風に乗って…
どこまでも一緒に…
デタラメな歌歌って…ああ楽しいねって笑いあえたら、それだけでもう…
生まれて来たもとはとったぜって、
冗談みたいにだけど、
…心の底から思うよ。