君を探して
飼い猫に生き方の自由が残っていた時代
そう自然の厳しさを知り生き物に寄り添う人々が多く暮らしていた田舎でのこと
外暮らしの猫はゴンタとかミー等 皆色々な名を持ち ロンは我が家の名字で呼ばれていた🐈⬛
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白猫ロン
半世紀以上前に我が家に来た初の猫様
彼の長〜い思い出話
シャンプーをすると美猫に変身
青い瞳 真白に輝くキラキラヘアー
平穏無事な一生が約束された猫だったのに…….
何が不服か
度々家出をし
痩せこけ傷だらけで帰って来るようになった
それでも最初のうちは1週間程度だったのよね
ある時
小高い峠の向こうで見かけたという噂を聞きつけ家族総動員で向かった
手分けして探したが会えなかった 当然だよね子供でも1時間以上はかかる道のりだもの
こんな遠くまで来るわけないよ
がっかりとホッとの気持ちを連れて帰宅した
その後も白猫を見たと聞くと情報を頼りに手当たり次第君を探しに行く
そのうち近所では誰もあなたの事を口にしなくなった
風の噂にきくのは矢張り峠の向こう
万が一にもあなたかもしれない
ノラさんのような器用さはない
飢えているに違いない
もう軽く1ヶ月は経っている
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この世にはいないかもと諦めかけたある日
息も絶え絶えあなたは帰って来た
肩や腰骨が浮き立ち痩せこけた姿はあまりにも不憫だった その上脚から血を流している
速攻獣医さんへ連れて行った
その時初めて動物の本能を目の当たりにした
歩くのも辛そうにしていたロンが瞬時に薬棚の上に飛び乗ったのだ 多分180センチはあったろう 生死を見据えるように殺気立て見下ろした がこちらも必死だ なんとか治療に漕ぎ着け
先生の見立てで犬の噛み傷だとわかった
剥き出しの肌に複数の丸い穴が見えた
中からはまだ赤い血が湧き出ていたよ
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ねこまんまが普通だった当時キャットフード擬きを与え おやつには獲りたての魚を食べさせ看病を続けた
家族の誰一人あなたを責めない
よく帰って来た覚えていたんだねと褒めた
なのに
元気を取り戻すとまた君は消えてしまった
連れ帰っても
途中また野犬に襲われ大怪我をしても
山越えをして隣の集落へ行ってしまう
何故だと不思議がっていた私達に
近所の猫飼いさんがこともなげに言った
きっと彼女がいるんだろうよ
理由はロンがオスネコだったからだで
この家周辺にはずっと前から幅を利かせたノラボスがいるという
それで縄張りを持てなかったんだろうって
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ノミダニと無縁で
お腹いっぱい食べられ
安心して眠れる住処を捨ててでも会いたい彼女ってねえ どんな猫だろう 家族で笑った
つまり もう探しに行くのはやめようという暗黙の了解だった
彼もお年頃になってヘタレを克服し巣立って行ったのだと
隣の集落では 白猫には飼い主がいるということが知れ渡っていた 以前探しに行くたび挨拶をしてまわったからだ それも安心材料だった
中にはロンと呼ぶ人もいたらしい
半年が一年二年と君の帰宅は次第に遠のいた
忘れた訳じゃなかったよ 時折あなたの様子を知らせてくれる人がいたからね
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ある日
母が受けた電話でロンの死を知った
親切にも私達の事を思い遣った土地の人が訃報を知らせてくれたのだ
農家の納屋で息絶えていたのを土に埋めてくれたらしい
後日両親が農家さんへお礼に出かけ 聞いた
あなたの武勇伝 本能に従いあなたが選んだ生き方 見知らぬ土地でよく生き抜いたね
死に目にも会えず飼い主失格だと思って来たが
それはそれでありだったんだ
猫を飼ったことある?と訊かれたら矢張りハイとは言えない 責任を全うできなかったからだ
でも猫を見守り続けたことはあるよって答えることにした
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透明
桜の時期にはクスッとしながら思い出す
透明で深遠な瞳と祝福の彩り
「出て来ないな
ふちょぉー後は頼むよ 花見に行ってくるわ」
担当医の飄々とした声
陣痛の最中 心の声がする
なんでこのタイミングでいなくなるかなぁ
もう生まれちゃうんだけど 先生待ってよー
はいはいわかってます
生まれる詐欺をここ数日繰り返した常習犯ですからネワタシ💭
しょうがない また先延ばしか….. 諦め
アッ😨😱 💥💥💥
『先生出ます!』婦長の迷いない一言
ドアの閉まる音?開く音?
🌸我が子は主治医が取り上げた🌸
そしてめでたい退院の日
ピカピカのグレーのセダンが一台
待ち構えていたかのように横付けされていた 誇らしげな父がおぅと片手を挙げ母が微笑む
【お前が生まれた日に届いたんだぞ!】
【新車でお出迎えだ】
【新しいもの尽くしで春から縁起がいいな】
日頃寡黙な父が上機嫌でまくしたてた
それは名もない赤子への手放しの祝福 だった
田舎の産婦人科は実家から遠く
あなたの初めての花見は父の車窓越しだった
覚えておいてね色とりどりの春景色と弾んだ声
忘れないよ新車の臭いと私を見上げる澄んだ瞳
終わり、また初まる、
うーんそのまま使うには違和感が…
スルーできない性格が悩ましい🧐
で、お題を細切れにしちゃいました💦
終業式
わりいおまえのせきはないや、
まただもんな留年
初めてじゃないし
まあ
ルールだから許せ、
阿部寛 先生をイメージしたセリフ💭
ぶっきらぼうだけど彼の温かい眼差しと共に
どうでしょう
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なにもこの時期にこの話題
縁起でもないですよね すみません(_ _).。o○
星
70年万博
月の石が大人気 じゃあ見とかなきゃねと
親に連れられ その一瞬のために一体何時間並んだ?根性で立ち続けた事と ご褒美のカップ入りバニラアイスだけが薄ら記憶に残る
鳴物入りの石は記憶のカケラにもない💦
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SF映画 猿の惑星 第1作は確かその頃
特殊メイクのリアリティーと想像を絶するフィクションの結末 そのインパクトは言い表せない程で 安全基地が得体の知れない力に呑み込まれてしまうような怖さを感じた
それが証拠に悪夢にうなされ続けた
今でもありありと浮かぶラストシーン
宇宙飛行士が何を見たかって?🤫
それまで空をしげしげ見るのは季節の伝統行事
七夕🎋とお月見🎑くらいだったのが
月面に人が行き
宇宙人はUFOに乗って来ると囁かれ
その上地球が猿人に取って代わられる映画見て
織姫彦星兎の餅つきこれも怪しいけど
思いを馳せる距離感と自由さが心地よかったはず
しかし事実や空想やらがごちゃ混ぜの空の向こう側では既に科学という名の下 競争が繰り広げられていたんだよね 大きな力によって
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それから半世紀
宇宙がこんなに身近で具体的なものになるとはフィクションが入り込む余地はなくなってしまった
陣取り合戦の様に多くの衛星をあげ
宇宙でも無責任なゴミの問題が起きて
地上の延長線のような空間
これが人類の進歩と調和でしょうかね……
不思議を解き明かし大切なものを失っていく
まるで砂時計のようだと感じないの?
これが幸福に繋がっているとは思えない
両方を満たす術はないのかしら
「どした?浮かない顔して」
『ううん何でもない』
ねぇ未来のハネムーンは宇宙かもよ
孫の祝いにかこつけて宇宙ホテルで宴会
な〜んてね
歌うは🎶星空のディスタンス🎉
ナニ?エンジェルのギターが欲しいって(笑)
願いが1つ叶うならば
人間社会を消し去った未来を見せて
人とはどんな生き物か改めて確認したい