soumatou

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special day

思い出すのは子どもの時
高熱を出すと特別待遇で2階の座敷に一人寝かされた
見慣れない天井の木目が歪んで襲いかかってくる
苦しいよ先生早く来て
と主治医が我が家へ出向いてくれるのを心待ちにする
どれだけ時間が経ったろう
黒縁メガネの先生が階段越しに現れた
不思議な事に病のピークは過ぎ去り
「どうだい」との一言で苦しさが遠のいていく
聴診器をあてて
胸を指でポンポン…診察終了
時にはペニシリンをお尻に一刺し

これからの1日2日は学校を休める
寝たいだけ横になっていられる
食べたい物を食べさせてもらえる

枕元まで食事が運ばれた
貴重な果物の缶詰めが食べたい放題だ
白桃、みかん、パイナップル、さくらんぼ…
窓の外には聞き慣れた近所の子らの声
遊びに入りたいが気だるさがまだまとわりついて見えないバリアに隔てられている

元気な日常と病の今を天秤にかけて
special day はどっち?自分に問うていた…

7/19/2025, 12:45:41 PM