Open App
5/25/2024, 12:13:24 PM

予報よりも強く窓を打つ雨に集中なんて出来るわけもなくて、手を止めてただぼんやりと眺めていた。
こういう雨の日はどう過ごすのだろうか。
思い馳せるひとはいま、なにをしているのだろう。
濡れていないだろうか。
濡れても喜んで飛び出すようなひとだから。
もしかしたら、

誰かの来訪を告げるインターホン。

もしかして。

部屋を見渡し、服を確認し、扉の外へ。


ああ、どうか。
『降り止まない雨』がこのまま続けばいいのに、なんて。

5/24/2024, 3:19:28 PM

「もう、来ない」

何度めかの決意はいつもぼろぼろと崩れていく。
そんな薄っぺらな想いじゃ、そばにいることすら不釣り合いなのに。

「…ん、」

諦めをにじませたまま、眉を下げて微笑むのもまだすきのに。
身勝手なこころをぶつける幼い自分を嗜めるどころか、巣立ちを喜ぶように。

「おまえがそう望むなら」

許せない許せない許せない。
そういうところがきらいだった。

あの日はそのまま背を向けて。
まるで自分だけが被害者のように、憎悪吐き出して。
嘘をまとった鎧で逃げ出した。


『あの頃の私へ』

待っているだけじゃだめなんだ。
想いはちゃんと“言葉”にして。

5/23/2024, 1:39:16 PM

よほどの用がない限り、閉めきられた部屋。
湿気ったカーテンの隙間から差し込む光に舞う埃。
たった扉ひとつ、仕切られただけなのに声が遠く聞こえる。
腰かけた机に覆いかぶさられて。
心音が聞こえてしまうような、そんな距離。


かち合う双眸。
少しだけためらうようなゆれる淡い色。


『逃れられない』

5/22/2024, 2:48:12 PM

ふれた手のひらの熱さを知っている。
ただ何気なく、隣あった指先のそのむこう。
季節より先行く汗ばんで。


つぎは『また明日』

5/21/2024, 2:49:49 PM

かろん、ところがる舌のうえ。
ぶつかる歯と与えれた飴玉の甘さの分だけのやさしさ。

おかわり、ねだって。
飴玉くだいて無かったことにして。
からっぽの口を開ける。

ふたつめの飴玉ころがして。
さっきのほうが甘かったとくちびるとがらせた。

だいじにしなよ。

与えるたびに言葉も添えて。

想いも『透明』な分、隠さず、伝わればいいのに。

Next