「もう、来ない」
何度めかの決意はいつもぼろぼろと崩れていく。
そんな薄っぺらな想いじゃ、そばにいることすら不釣り合いなのに。
「…ん、」
諦めをにじませたまま、眉を下げて微笑むのもまだすきのに。
身勝手なこころをぶつける幼い自分を嗜めるどころか、巣立ちを喜ぶように。
「おまえがそう望むなら」
許せない許せない許せない。
そういうところがきらいだった。
あの日はそのまま背を向けて。
まるで自分だけが被害者のように、憎悪吐き出して。
嘘をまとった鎧で逃げ出した。
『あの頃の私へ』
待っているだけじゃだめなんだ。
想いはちゃんと“言葉”にして。
5/24/2024, 3:19:28 PM