よほどの用がない限り、閉めきられた部屋。湿気ったカーテンの隙間から差し込む光に舞う埃。たった扉ひとつ、仕切られただけなのに声が遠く聞こえる。腰かけた机に覆いかぶさられて。心音が聞こえてしまうような、そんな距離。かち合う双眸。少しだけためらうようなゆれる淡い色。『逃れられない』
5/23/2024, 1:39:16 PM