しめじ

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8/23/2025, 5:14:12 AM

あのコは水から生まれたのかもしれない
夏は好きだけど、暑いのは苦手みたいで
机に溶けて、冷たいペットボトルを首すじに当てていた

憂鬱そうにしているあのコは、水が好きで、
水もきっとあのコのことが好き

じゃないとあんな風には泳げない
私は何だか引き込まれてしまいそうだから、水は苦手

それでもあのコが、楽しそうな姿が見たくて、
長い間、最前列で応援して、サポートしている

休憩中、火照った体を冷ましたくてプールに足を浸ける
あのコはスルリと上がり、私のそばに座った

ずっと泳いでいたあのコの手はヒンヤリとしていた

いつもそばにいて特段話すことも無くて、無言が続く

不意に、あのコが話しかける
「今日の夜さ、海いこうよ」

いつもと、声色が違う気がして、
あのコの眼を見る
こんなに暗かっただろうか?

見つめていると吸い込まれてしまいそうで、
目を逸らす

そんな様子を気にせずに、あのコはまた誘う

今日は予定があると、立ち上がって、あのコから離れる

「そっか」

そういったあのコの眼は、いつもみたいにキラキラしていた

あのコは、私の知っているあのコなのだろうか

7/15/2025, 4:25:49 AM

いつもより早くの下校。
早く帰りたい気持ちと、まだあなたといたい気持ち。
大きな気持ちはもちろん後者で。
茹だるような暑さのなか、自転車をカラカラと押す。

コンビニで涼もうと、あなたは言う。

わたしはグレープ。あなたはソーダ。

目をキラキラと輝かせ、美味しそうに頬張るあなた。

わたしが選んだのは、コロコロしたのが数個入っているものだったから、
おすそ分けする。

嬉しそうなあなた。

ふと、目の前にアイスキャンディー。

おすそ分け!

カラリと笑うあなた。

一気に頬が熱くなったのは、夏のせいではない。

7/11/2025, 3:27:15 PM

今もずっと、考えているんです。
こうやって泣いているわたしを、あなたが颯爽と現れて、
何処か遠い場所へ連れ出してくれないかって。

わたしがあなたを愛している様に、あなたも、わたしを、って

ありもしない可能性を何時までも求めて。



あなたにも、わたしにも家庭があるのに。

わたしは身重になってしまって、益々死ねなくなってしまった。

わたしが誰よりも、何よりもいちばんあなたを愛しているのに。


あの女と、あなたのお父上がバカみたいに駆け落ちしようとしたばかりに。

あなたのお母上のお気持ちが分からないわけでは無いんですよ?

でも、だからといって、わたしたちを引き離すだなんて。
あんまりです。
わたしたちのほうが先だったのに。
あの女の娘だからって、


他人から、あんな目で見られたのは久々で。


ねえ、どうして来てくれないの?
お母上の紹介で夫婦になった、あの素朴なのがあなたの好みなの?
どうしてあなたの家では笑いが絶えないの?

どうして?

今もずっと、考えているんです。
段々と大きくなるこの腹の中身が、あなたとの子ならって。
それなら、そばにあなたがいなくても、
わたしは笑えるんです。

早く楽になってしまいたい。

そうして、空からあなたを捕まえて、溶け合ってしまいたい。

あなたもきっと、おんなじ気持ちでしょう?

6/25/2025, 9:14:09 AM

空は、海は、世界は、こんなにも広いのに

屋上で手を広げて、きみに笑いかけた

何をしても笑わなくなったきみは、

いつもと違ってカラッとした顔をしてた

ふと、きみは立ちあがってフェンスに手をかける

バカで、なにも考えてないわたしは

もう大丈夫かもって、また一緒に色んなとこに行けるって本気で思ってた



けたたましい電話の呼び鈴、母のおおきな声

起きるにはまだ早い時間で、

モゾモゾと布団にもぐりこむと、

バタバタと階段を駆け上がって、ドアを勢いよく開けた母

暢気なわたしを起こして、車に乗せる

着いたのは、きみの家で

家の前で、きみのお母さんは右往左往していた


きみは昨日別れたあと、どこに行ってしまったの?

帰ってこないって、お母さん、心配してたよ



きみから1件のメッセージ

藁にも縋る思いで開いて、

謝りたくなった

わたしはなんにも分かってなかった、分かってあげられなかった

ちっぽけなわけないのに

わたしの尺度で、きみの気持ちを測って

決めつけて


手が届かなくなってやっと気付くなんて、

本当にわたしは、どうしようもないバカなんだ

5/27/2025, 1:50:10 PM

キッカケは下らないことだった
私が気に食わなかったんでしょ

無視
暴言
暴力

どんどんエスカレートしていって
曇った顔をしてた奴らも
あんたと同じようにニタニタ笑って

何度飛び降りようと思ったか

何度あんたの首を折りたいと思ったか

知らなかったよね

私も笑ってたから
イジりの延長だと思って
自分のほうが上だって

誤解させちゃった

これが最後
あんたと私にはお似合いだよね

大丈夫
一緒に地獄に堕ちてやるからさ

だからみっともなく泣くなよ

気持ち悪い

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