三月うさぎ

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8/24/2024, 11:43:49 AM

やるせない気持ち


誰も悪くない。

あなたには、あなたの。
私には、私の、自由があっただけ。

どちらが正しいとか、間違っているとかじゃない。

わかっていても、どうにもならない、やるせない気持ちが渦を巻く。

ドロドロと体内を巡る、吐き出しようのない、真っ黒な。

世界が切り離せるものなら。

私達は互いに背を向け、自分が信じるままに、まっすぐ歩いていけるのに。

一つしかないこの理不尽な世界で。

今日も誰かが、自分だけの正義を掲げる。

8/23/2024, 11:18:51 AM

海へ


心が疲れた時、ふと海へ思いを馳せる。

一定のリズムで繰り返す波音。
寄せては返し、寄せては返し。

遥かな太古より、連なる時間。

静かに波打つ日もあれば、荒ぶる波頭が牙を剥く日もある。

とぷんと意識を水中へ沈めれば、いつか見た美しい珊瑚の海。
色鮮やかな熱帯魚の群れ。

更に深く潜って深海へ。

過酷な環境に最適化された奇妙な生き物たちが、マリンスノーの中で揺蕩う。

光の届かない、海の底に横たわり目を閉じる。
身体を丸め、産まれる前の胎児みたいに。

全ての始まりの場所で。

私は、もう一度、自分自身を見つけ出す。

8/22/2024, 11:04:57 AM

裏返し


全ての感情は裏返し。

想いが強ければ強いほど。

好きと嫌い。
興味と無関心。
好意と悪意。
愛と憎しみ。

些細なきっかけで、それは裏返る。

好きだった分だけ嫌いに。
興味を持った分だけ、関心を無くし。
好意を寄せた分だけ、悪意を。
愛した分だけ、憎しみを。

想いを寄せた強さのまま、そっくりそのまま裏返る。

8/21/2024, 10:55:08 AM

鳥のように


鳥のように飛んで飛んで、何処か遠い場所へ。

海を越えて、遥かな未知の国へ。

誰も私を、知らない場所へ。

そうしたら、きっと。
私は『自分』でいられる。



本当は。

どこまで飛んでも、力尽きて落ちた先でも。

私は、私でしかいられないし、
それを赦すことができるのもまた、私でしかないのだと。

とうに知っているけれど。

8/20/2024, 11:18:19 AM

さよならを言う前に


さよならを告げる前は、これでやっと楽になるのだと、そう思っていた。

心が軽くなって、きっとずっと息をするのが楽になる。

そう信じて、願って、ただこの決意が揺らぐことだけが恐ろしくて。

追い立てられるように、受話器越しに別れを告げた。
後悔しないように、今まで辛かったことを並べ立てて、決して心変わりなどありえないと。

そうしてあっさり別れは成って、私は開放感に満たされ。
一瞬後、怖ろしい喪失感でいっぱいになった。

何かを間違えた気がしてならなかった。

震える手で、どうしても消せなかった番号をタップして。

『何故』

訝しげな声に、既に他人になった人の声に。
私はようやく自分が望んだものの正体を理解して、泣いた。

そして今度こそ彼の番号を消した。

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