#降り止まない雨
昼から夕方まで降る、をもう三日は繰り返してる。
駐車場がべちゃべちゃで、タイヤの跡が幾つも付いてる。
真っ直ぐ停めるのが下手くそなんだよなぁ。
「あっ、!?」
昨日も一昨日も気を付けて避けた筈の水溜りに今日は足を突っ込んでしまった。
「しまったーーっ、靴、これしか無いんだよな」
明日までに乾くとは到底思えない。
どうするか、
とりあえず、玄関の鍵を開けるとそこには同じように泥だらけの靴が。
「ただいまぁー。」
「あっ、おかえり!?」
「どうした?」
「ちょっと、へそくり数えてた…えへへっ、」
それは。あれか。
今月出費重なったもんなぁ。
「スニーカー有ったよな。」
「うん。でも会社がヒールじゃないとダメだから」
「いや、スニーカー履いてさ、俺と今から靴買いに行かね?見てコレ。」
多分、おんなじ所に突っ込んだであろう泥だらけの靴を指差す。
「そこの水溜りっ?」
「おうっ。」
「一緒ーっ、昨日はさ、ギリギリで避けたんだよ!?もーぅっ。」
やっぱり。
そう言う事なら、俺もへそくりを出すか。
「序でに晩御飯も食べに行こ。」
「デートっ!?」
「デート。俺もヘソクリ出すぞ。」
さっきの今開けた玄関を、今度はまだ汚れてないスニーカーで通る。
「まだ降ってるねー」
「今日は長引きそうだな?」
「ねー。あ、水溜りっ、!」
「気を付けろ?」
「そっちもでしょ、!?」
今日一日の大半を掛けて集めた沢山の"楽しい"を
ものの5分でぶち壊す化け物と暮らしている。
それでも
もう一度集めるべきだ。
私の尊厳の為に。
#ルール
ひとつ
焦ってる時は、その場で上にジャンプする事。
気持ちか体が軽くなるまでやる。
ふたつ
ドキドキする時は、胸の前で右手をぎゅっと握り込む事。
私はここまで頑張った、という事実を噛み締める。
みっつ
なんかいやだなぁ、と思ったらぽやん、とする事。
そのうち分かる。
私が私を安心させるルール。
どうしても連れて来たかったんだ。
可愛い×可愛い=正義だろ
なら
儚い×儚い=尊いだ。
クソ可愛い恋人が
ふーん、て顔で散ってしまった桜の絨毯を見てる。
儚い、可愛い、尊い
「ね、可愛い?」
「可愛い。」
眩しくて目が潰れそうだ。
#誰よりも、ずっと
側に居て
異変を知らせ
寄り添ってるその身体を
先ず大切にしてみる。
水を飲み栄養ブロックを摂り
たっぷり寝てみる。
何処の誰が何を言っても
心臓と肺と血液と細胞がちゃんと頑張ってる。
だから、ちょっとそれ置いて休憩しな?