甘々にすっ転べ

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#降り止まない雨


昼から夕方まで降る、をもう三日は繰り返してる。

駐車場がべちゃべちゃで、タイヤの跡が幾つも付いてる。
真っ直ぐ停めるのが下手くそなんだよなぁ。


「あっ、!?」

昨日も一昨日も気を付けて避けた筈の水溜りに今日は足を突っ込んでしまった。

「しまったーーっ、靴、これしか無いんだよな」


明日までに乾くとは到底思えない。
どうするか、
とりあえず、玄関の鍵を開けるとそこには同じように泥だらけの靴が。

「ただいまぁー。」

「あっ、おかえり!?」

「どうした?」

「ちょっと、へそくり数えてた…えへへっ、」


それは。あれか。
今月出費重なったもんなぁ。

「スニーカー有ったよな。」

「うん。でも会社がヒールじゃないとダメだから」

「いや、スニーカー履いてさ、俺と今から靴買いに行かね?見てコレ。」


多分、おんなじ所に突っ込んだであろう泥だらけの靴を指差す。

「そこの水溜りっ?」

「おうっ。」

「一緒ーっ、昨日はさ、ギリギリで避けたんだよ!?もーぅっ。」


やっぱり。
そう言う事なら、俺もへそくりを出すか。

「序でに晩御飯も食べに行こ。」

「デートっ!?」

「デート。俺もヘソクリ出すぞ。」


さっきの今開けた玄関を、今度はまだ汚れてないスニーカーで通る。

「まだ降ってるねー」

「今日は長引きそうだな?」

「ねー。あ、水溜りっ、!」

「気を付けろ?」

「そっちもでしょ、!?」








5/25/2024, 3:42:50 PM