歩歩満

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10/13/2022, 10:14:44 AM

子供のように、みてくれだけ合わせれば

実物になった様に錯覚できた

わかっていた

人助けをしても、善人になれるわけではない

コーヒーを飲んでも、大人に近付けるわけじゃない

それでもいいと思った

錯覚、そして、満足

どちらも、憧れているからこそ起きる現象

続けてみよう、線が輪郭に変わるように


10/12/2022, 10:23:31 AM

題 放課後

告白するべき相手はいない、される気配もない

幸い、成績はまあまあなので

居残りさせられる事はなかった

部活も、特に惹かれるものはないので、帰宅部

授業後は特に用はなく、まっすぐ帰る

青春小説を読み終えて、ふと思う

夕方の校舎内での恋の駆け引きは

どんな緊張感を孕んでいるのか

夕陽に照らされた金色の教科書は

知識の価値をそのまま反映させた色で

本質に迫る絶好の機会ではなかったのか

打ち込める部があれば、万雷を浴びた様に

満ち足りて死を迎えられたかもしれない

つまらない、灰色な時代だった












10/11/2022, 10:32:09 AM

身体が熱くて、だるい、こういう日は

外に出るのはもちろん、見るのも億劫になる

窓は開けて、カーテンは閉める

風が襞を掴んで、峰々を作り出す

眺めていると、とろりと眠気が湧き出す

甘い出汁の匂いで目が覚めた

光の中で、誰かがスプーンを差し出す

差し出されたお粥は、失ったエネルギーと塩分を

補うのに最適な味付けだった

「誰か」はいつの間にかいなくなっていた

夢の中でまた夢を見たようだ

なのに、うっすらと「誰か」のシルエットが

思い浮かぶ

グーサインをして

「大丈夫」

10/10/2022, 10:12:21 AM

嬉し涙も、悔し涙も原因は同じ

感情が器の限界値を超えた時

それは溢れ出す

一見、両極端なこの二つの感情も

なんらかのきっかけで簡単にすり替わる

10/9/2022, 10:34:00 AM

「アナタトイルト、ココロオドル」

留学生のあの子は突然、そう告げてきた

僕、何かしたかな?ただ、

毎日、教室で朝の挨拶をして、授業でわからない所を

教えてあげて、校門で別れの挨拶

その繰り返しをしているだけなのに

そういえば、この習慣は彼女が学校に来てからで

それまでの僕には、そんな相手が一人もいなかった

彼女も、いつも一人で、本ばかり読んでいる

そんな、2つの孤独が導いた結果なのか

縦横無尽に跳ね回るようなこの高揚感も?

確信は持てないけど、僕は口を開く

「僕も、心踊る」








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