題 放課後
告白するべき相手はいない、される気配もない
幸い、成績はまあまあなので
居残りさせられる事はなかった
部活も、特に惹かれるものはないので、帰宅部
授業後は特に用はなく、まっすぐ帰る
青春小説を読み終えて、ふと思う
夕方の校舎内での恋の駆け引きは
どんな緊張感を孕んでいるのか
夕陽に照らされた金色の教科書は
知識の価値をそのまま反映させた色で
本質に迫る絶好の機会ではなかったのか
打ち込める部があれば、万雷を浴びた様に
満ち足りて死を迎えられたかもしれない
つまらない、灰色な時代だった
10/12/2022, 10:23:31 AM