🐥ぎよ䞞🐥は蚀葉でモザむク遊びをするのが奜き。

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10/1/2022, 9:34:42 PM

058【たそがれ】2022.10.02

カヌテンをあけお窓際にミニテヌブルを眮いおアヌモンドミルクのラテをいれたらテレビを消しお明かりも消しお。時がたそがれるたたにたかせる。
こんなにも身に沁みる薄暗がりが明るさによっお蹎散らされるのがもったいなくお手蚱が芋えなくなるたでじっず息をひそめおいた。

10/1/2022, 2:47:40 AM

057【きっず明日も】2022.10.01

N教授の研究宀の倧掃陀を手䌝っおいたら叀びたノヌトの切れ端を芋぀けた。それにはこのようなこずが曞いおあった。

 《あなたが生たれおしばし埌に 倪陜が昇った

   ||: その翌日も 倪陜が昇った :||

  いた わたしずあなたは
  幟床目かの日の出の埌に䌚話をかわしおいる

   ||: そしお きっず明日も 倪陜が昇る :||

  いずれ わたしもあなたもそれぞれが
  幟床目かの日の出の埌に目を瞑るのである》

それは詩のようにも芋え暗号のようにも芋えたが
「先生  これはどう読めばよろしいのですか」
よほど私の衚情が怪蚝そうだったのであろう。教授もたた蚝しげな衚情をしながら玙片を芗き蟌んだが
「あぁこれは  」
したりずでもいうふうにひずり合点の銖肯をした。
「S教授の悪戯だよ。䞀芋暗号颚に芋えるこの笊号は音楜の繰り返しの蚘号なんだずさ」
それでも私がよく飲み蟌めおないのを芋おずったか教授は私から玙切れを取り䞊げこう読み䞊げた。
「あなたが生たれおしばし埌に倪陜が昇った。その翌日も倪陜が昇った。その翌日も倪陜が昇った。その翌日も倪陜が昇った。その翌日も倪陜が昇った。その翌日も倪陜が昇った  これは生たれおから今日たでの日数分繰り返しお読たねばならぬずS氏は蚀っおいたがね」
これで皮明かしは十分だろうずでもいうふうに教授は私の手蚱に玙片を戻しおよこした。
「ではそしおきっず明日も倪陜が昇るずいう郚分は残りの寿呜の日数分だけ繰り返すようにずいう指瀺になるず」
するず。
教授は虚を衝かれたかのような様子を芋せた。私は単なる確認をしただけの぀もりだったのだが
「  すたない  ちょっず倱瀌  」
䞍意に窓際たで走り寄るずもどかしくおならないずでもいう手付きで煙草を取り出し火を぀けた。
N教授はあの通り真剣なのだか巫山戯おいるのかしかず刀別぀かないような性栌だからい぀もS教授の蚀行を面癜可笑しく装食しお吹聎する。そのせいで私たちも぀いうっかり倱念しおしたうのだ。S教授が  
「実にバカなダツだよ。Sは」
窓枠に半身を預けお玫煙をくゆらせながら教授は぀ぶやいた。
「  あず䜕回繰り返すかは神様が決めるこずなのに自分で勝手に区切りを぀けようずしやがっお  」
そしお思い切りよくぐしゃぐしゃず。煙草を手にしおいた灰皿に抌し付けお火を消した。
「挙げ句の果に神様ぞの反逆にも倱敗しやがった」
私は返すこずばを倱った。芋぀けたのは叀がけたただの玙切れ䞀枚のはずだったのに。教授の感情に嵐を呌び起こしこんな衚情をさせるこずになろうずは。
「今日はもうおしたいにしよう。私も急甚ができたしね」
突発的に心が波立ったずきは煙草を吞うそしお胞䞭の嵐を鎮静する。ずいうい぀ものルヌティンがしかし今回は䞊手く䜜甚しなかったのだろうかN教授は窓を閉め錠をおろしそそくさず身支床をしながらその玙片を枡すよう仕草でしめした。
「よく芋぀けおくれた。感謝する」
受け取るず教授は倧事そうにそれをながめそっず鞄に仕舞い蟌んだ。
「あい぀の枕元でお経のかわりに唱えおくるよ。そしおきっず明日も倪陜が昇るずし぀こくね」
私は促されるたたに教授ずずもに研究宀から出お鍵を締め教授ずいっしょに黙りこんだたた同じ゚レベヌタヌに乗り研究棟の前で別れた。
物語の䞖界では鮮やかにきたるのが盞堎ずなっおいる自死だが珟実の䞖界ではそうはいかないケヌスが実は倚いずいう。S教授が怍物状態になっおもう䜕幎たったのだろう。N教授はいただに未完の共同研究をS教授ずずもに完結させるこずを切望しおいる。
あれだけの資質ず熱量を兌ね備えた研究者には䞀生出䌚えないだろうず぀ぶやきながら。

9/30/2022, 1:02:45 AM

056【静寂に包たれた郚屋】2022.09.30

そもそも皇族がこの屋敷に足を螏み入れるのは犁忌ずされおいた。唯䞀の䟋倖は皇子が幌かりしみぎりにルリむロハグロトンボのアルビノの暙本を芋たいず駄々をこねたずきでそれ以降誰も犁忌を犯しおいないならばこの再びの皇族の来蚪は二十数幎ぶりずなるはずだ。
その唯䞀の䟋倖も二十数幎ぶりの再蚪もたさか我が身がおこなうこずになろうずは皇子自身想像だにしおいなかった。
銬車を降り重々しい玄関の扉から屋敷のなかに入る。するずそこのぐるりの壁面はもうすでに昆虫暙本でいっぱいだった。子どもの頃の蚘憶より䞀局さらに増えおいるのではないかず思われた。通り抜ける廊䞋の壁も静かに動きを止めた暙本でいっぱいでむしろ自分が立ち䞊がっお動いおいるこずのほうがなにか重倧な過ちを犯しおいるのではないかず錯芚されおくるほどであった。

たどり着いた郚屋では屋敷の䞻が埅っおいた。倧䌯父のアルフレヌド93歳先代の皇垝であった祖父の兄である。
曜祖父の代は有力な臣䞋の぀ばぜり合いが激しかったずいう。それが皇䜍継承争いにたで発展し内乱勃発が危惧されたほどであったずいう。アルフレヌドは意に反しお成り行きで䞀方の神茿ずしお担ぎ出されおいたがみずから皇䜍継承暩を攟棄しこの黒森に匕き籠りそうするこずで争いに終止笊を打った。そしお皇族ずの接觊を断絶し臣䞋もそれに倣うよう宣蚀し二床ず己を争いの火皮ずできぬようにしたのである。
静寂に包たれた郚屋の䞭でこの歎史的な隒乱に終止笊を打った倧䌯父はここでもたたおびただしい数の昆虫の暙本に囲たれお座っおいたが犿げ䞊がった頭に䞞県鏡ずいうトレヌドマヌクは二十数幎前ず倉わっおいなかった。
圧倒的な量の死の静寂に包囲されお皇子はたじろいだ。静かすぎるがゆえにかえっお動かないはずの昆虫たちの矜音がブりンンンンンンンンンン  ず䞀斉に立ち䞊がっおくるかのような気すらした。

「ようこそ。セノェリン  倧きゅうなったのう」
跪いお無沙汰を詫びる皇子の頭をアルフレヌドはいずおしそうに皺深い手で撫でた。皇䜍争いを拡倧させぬために敢えお離婚し二床ず劻垯しなかったこの倧䌯父にずっお姪孫である皇子は実の孫にも等しい存圚だったのである。
「久闊を叙したいずころじゃがそなたにはさようなゆずりはなかろう。単刀盎入にいこう。䟋の謎の毒蛟の件じゃね  」
ここぞず指し瀺されたテヌブルにもたた蛟の暙本がある。
「たさかワシの道楜が囜難救枈のいずぐちになる日がこようずは」
アルフレヌドは嘆息した。
「  倢にもおもわなんだ  」
それは幟重にも深い思いが折り畳たれた嘆息であった。

9/29/2022, 3:01:10 AM

055【別れ際に】2022.09.29

卒業匏以来数幎ほどご無沙汰しおいた同玚生から連絡があり䌚いにいった。ブランクなんおなかったかのように話がはずみたた䌚いたいねなんおお互いにいいかわしながら別れ際に「よかったら䜿っおみお  」ずそっずちいさな袋をわたされた。
垰宅しおから開けおみたらサプリメントのサンプルがはいっおいた。同封されおいた手玙には䌚瀟で扱っおいる商品である旚が曞かれおいた。

私はもずもずからサプリには興味がなかったので誰かにもらっおもらおうずこの話をしたらみなが䞀様に「぀たりセヌルスだよね」「もう䌚わないほうがいいよ」ずいう。私もせっかくの再䌚に氎を差されたような気持ちになりそれ以降圌女ずは連絡はずらなかった。

だけど。
いたにしお思うのである。きっず圌女も嫌だったにちがいない。䌚瀟のノルマ達成のために同玚生に連絡をずっおサンプルを配りたくらないずいけないなんお。ず。
䌚瀟のこずも仕事の内容も切り出さないたた吊切り出せないたたおしゃべりを続け別れ際たでサンプルを差し出すこずができなかったそのこずが圌女のきたり悪さを雄匁に物語っおいるような気がしおならないのである。

9/27/2022, 2:11:07 PM

054【通り雚】2022.09.27

きゅうにばたばたず雚が降っおきた。私はあわおおベランダの垃団を取り蟌みにいった。ずりあえず党郚屋根の䞋に匕き蟌んでそれから郚屋の䞭にばんばん攟り投げながらむダに雚音が倧きいなよほどの倧粒の雚だ濡らさなくおよかった  なんお考えおいた。

䞀段萜぀いおホッずしながらあらためおベランダの手すりにもたれながらそずをながめた。

  雚が糞を匕いおいた  

しんじられなくお凝芖した。
玍豆だった。
呆然ず立ち尜くしおいるあいだに玍豆の通り雚は通り過ぎおいった。道端や家の屋根や暋に金の玍豆の粒を残したたた。

これからどうなるのだろう。あたりにも展開が読めなさすぎる。たるでギンナンの季節のいちょう䞊朚のように異臭が立ち䞊っおきたので思わず錻を぀たんだ。
ずりあえずほうきずちりずりで玄関先の玍豆は掃いおしたおうずおもったもののそれは家族党員分の玍豆をどんぶり鉢にぶちこんで党員分の箞をたずめお握っおぐるぐるかき混ぜるようなこずになるのではないかずおもわれものすごくも぀れおものすごく糞を匕きそうでそのこずばかりが心配だった。



・・・・・



すみたせん。あたりにも䜕も思い぀かなくおm(_ _)m
玍豆を混ぜるゲヌムしおたらこれが降っおくるのだけはむダだなずおもったので  

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