054【通り雨】2022.09.27
きゅうにばたばたと雨が降ってきた。私はあわててベランダの布団を取り込みにいった。とりあえず全部屋根の下に引き込んで、それから部屋の中にばんばん放り投げながら、イヤに雨音が大きいな、よほどの大粒の雨だ、濡らさなくてよかった……なんて考えていた。
一段落ついて、ホッとしながら、あらためてベランダの手すりにもたれながらそとをながめた。
……雨が糸を引いていた……
しんじられなくて、凝視した。
納豆だった。
呆然と立ち尽くしているあいだに、納豆の通り雨は通り過ぎていった。道端や家の屋根や樋に金の納豆の粒を残したまま。
これからどうなるのだろう。あまりにも展開が読めなさすぎる。まるでギンナンの季節のいちょう並木のように、異臭が立ち上ってきたので、思わず鼻をつまんだ。
とりあえず、ほうきとちりとりで玄関先の納豆は掃いてしまおうとおもったものの、それは、家族全員分の納豆をどんぶり鉢にぶちこんで、全員分の箸をまとめて握ってぐるぐるかき混ぜるようなことになるのではないかとおもわれ、ものすごくもつれて、ものすごく糸を引きそうで、そのことばかりが心配だった。
・・・・・
すみません。あまりにも何も思いつかなくてm(_ _)m
納豆を混ぜるゲームしてたら、これが降ってくるのだけはイヤだな、とおもったので……
9/27/2022, 2:11:07 PM