こんな時期にプレゼントをくれるような友達も恋人もいない
__施設内、
寒い夜空のした独り言ちる。
「今日はクリスマス・イブですって」
「あらまあ、ケーキ買わないとね」
突然話しかけてきた婆さんは窓の外の積もりきった雪をみるなり、苦笑いを浮かべてクツクツ笑う
抜けた歯を怖気づくこともせずニカッとみせて。
「ホワイト・クリスマスになるかもしれないわね」と隣の白髪交じりのおばさまが、冗談めかして言う。婆さんの知り合いなのだろう。
けれど婆さんは、有り触れた着こなし、どこにでも売っている服。有り体にいえば、野暮ったいのだ。
正反対とも言えるような黒い帽子に白いポンチョ、レースのスカート。その風貌はマダムというに相応しい。気品とミステリアスな雰囲気を纏い、妙な説得力を生む。長年の経験によるものか。
まだ外観がすこしは見えていたというのに、今朝と違ってすっかり雪に染まった外の世界は一面まっしろ。さくさく音をたてて歩くたびに残っていく跡。
イルミネーションで派手に飾られたツリーを見る程の時間もゆとりも無ければ、遊びに誘うような人も居ない。でも私はそんな生活が結構、楽しかったりする。
「さ、風邪をひくと良くないわ。窓から離れてコタツにでも入って、ゆっくりケーキでも、ね」
サンタ様が贈ってくれるようなプレゼントをもらう年齢は通り過ぎ、独身であることを虚しくさみしく思ったことはない。
楽しい思い出。
それこそが何より素晴らしいプレゼントなのだ。
幸せの形は人それぞれなのだから。
秘めた約束事。
またこんな風にいつか笑いあいたい。
悲しみを分かち合いたい。
合言葉は一つだけ――
【愛してる】
苦楽を共にする
離れてても友達だ――
それが普通だと思ってた
そういうのが”友達”だと人は言う。
テレビで、ネットで。
家族、学校の先生、ご近所の人。
もし、友達の理想を定義するのなら、確かに
その通りだ。
だけど現実はそうもいかない。
うわべだけの付き合いもあるし、
果てにはお金の貸し借りまで。
”それって友達なの?”
心の自分が囁く。それでも嫌われるのが怖い。
大人になるにつれて純粋ではいられなくなる。
疑心暗鬼になったのはいつからだろう?
《友達》とは何なのだろう?
いつか私にもそんな友ができるだろうか?
どうして私は変われないのだろう?
周りもそうなのかな?
悪く思われたくないから?変わりたくないから?
きっとそのどれでもなく、勇気が出ないからだ。
知らない道を進む勇気。
皆が進んでるから安全なんて、いつから錯覚したのだろう?
大事にしたい。僕の宝物。
くりくりした目で、ふわふわしてて、赤いフリルのお洋服を着た君はお人形のようで、端正すぎるほど整った顔は絶世の美女というに相応しい
君はいつも僕のそばにいてくれた。
泣きたいときも笑ったときも、優しく傍にただ何も言わずに寄り添ってくれた。愛しているよ。
「にゃあ」
拾ったばかりの頃とは見違えた君にキスをする
愛情なんて裏返しても憎しみを生むだけよ
愛情の裏返し
裏返したって損するわ、
愛は言葉にして伝えるもの