於菟

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8/4/2025, 8:14:33 AM

今年初めての花火大会
暑い中彼を誘って、ふたり浴衣で出店を回る
あれが欲しいこれが欲しいと言う私に
彼は笑顔で着いてきてくれた。
彼は無口な方。それが私の惚れた1つの要因。
でも正反対な性格に、1度不安になったことがある。
けどね、
「喋る私といて疲れない?」って聞いたら
「僕は話し下手だから...
それに、楽しそうに喋る君を見るのが好きだし」
って言われて再度惚れ直したのは言わずもがな!!
そんな事を思い出しながら綿菓子や炭酸、かき氷を買う
ここは楽園だ!!!!!

20:25
スマホを見ればもうそろそろ花火が上がる時間
段々人が多くなり、身動きが取れなくなる
ふと自分の手に彼の手が触れ
いわゆる恋人繋ぎをされた。
「?!!?///」
いつもこんな事しないのに!!!って心の中で叫びながら
何とか平然を保つ
20:30ブブッとスマホが振動し
リマインダーに
【彼と花火大会】と表示される。
「ねぇ」
ちょんちょんと肩を叩かれ彼の方を向くと
ぎゅっと抱きしめられた
「好きだよ」
耳元で聞こえた言われ慣れない言葉に
ぐわっと体温が上がる
驚いて彼の腕から脱出し
慌てた手つきで炭酸のキャップを開ける
急いで飲んだ炭酸はとてもぬるくて不味かった。
顔を顰めた私を見て
無口な君は「ふふっ」て笑う。
ドンッと鳴った花火は
彼の笑顔で霞んで見えた

『ぬるい炭酸と無口な君』

4/9/2025, 7:58:34 AM

高校に入学してもう1年が経った
振り返ればあっという間で、もう既に1年生に戻りたいとまで思う日々...。部活帰りの親友、美和との下校は当たり前になっていて、今日の何気ない話は
段々と恋バナになっていた。
「いいなって思う人いる??」
「え〜....いないかも
強いて言うなら和明くんかなぁ」
「そっか、同じクラスか」
「そうそう」
同じクラスで同じ部活の清水和明くん
いつからか話すようになっていて
今では下の名前で呼べるように。
一喜一憂する人で
小動物みたいですごく可愛い。
授業は爆睡するか、部活の参考動画を見ているかの印象が強い。優しいし話は合うし....
「ねぇ、、聞いてる限りそれってもう恋に落ちてない?」
「、、、、え''?!いやいやいや!!!そんなはず、、」
た、確かに思えばよく見ているようないないような
「ははーん、、無意識ね」
「にやにやすんな!!!!」
それからというもの、目が合えば逸らしてしまうし
話せば妙に心が踊る....。
「(あぁもう手遅れじゃん、!!!!)」
部活に本気な和明くんは恋愛の''れ''の字もないのだ、「片思い、、ね」
部活が同じなだけあって、彼の部活への本気度は理解
出来るし、彼の鈍感さも知っている。
私が告白して、彼を戸惑わせてしまっては
部活で本調子が出ないかもしれないし、今の関係が壊れてしまうかもしれない。
「辛いなぁ、、」
勝手に好きでいることは、許してよね


『片思い』

3/14/2025, 12:07:49 PM

学年で1番人気のある君は
何故か毎日飽きることなく僕に話しかけてきた
それが嫌だったわけじゃない
どちらかと言うと2人で話す時間は心地良かった
けれどやっぱり...
いじめの傷が癒えることはなく
僕はビルの屋上で
遠い遠い世界を見据えた
慌てた君が来て、俺も死ぬなんて言うから
「君が死んだらみんな悲しむだろうけど
僕が死んだってみんなの日常は変わらないよ笑」
笑って言ってやった
「じゃぁ....俺の日常はどうなるんだよ、」
今にも泣きそうな顔と
震える声でそんなことを言うから
一瞬、心が揺らいだ
偽善的言葉じゃない
多分これは
彼の本音だ

「人を救えるのは偽善か、それとも」

3/7/2025, 1:03:08 PM

[夜に見える美しいエメラルドの虹]
絶対に有り得ることの無い非現実的な景色
私は幼少期、この日本で見た事を忘れていない
12/24 良い子の元にサンタが訪れるクリスマスイブ
今年お願いした物は来るだろうか
心踊らせながら外へ出た
夜空を見上げたその時
美しく、そして強く光輝くその物体を
小さき天体マニアの私は知っていた
「オーロラだ、!!!!」
今思えば、小さな頃に見える幻覚か
サンタに期待を膨らませた淡い夢だったのかもしれない
だけど、ある小説で見た''春の訪れを告げる星''のような
物だったとしたら
信じるものにしか見えないと言われる物だったら
その時、私の願った事は何なのだろう
瞳を輝かせて放った言葉は
一体、どんな言葉だったのだろう

『夢現』

3/2/2025, 4:43:34 AM

幸せなことがあった時
私は空を見上げながら決まってこう言う
「神様、時々ではあるけど幸せをくれてありがとう』
って
けれど神様は、きっと毎回私に
「毎日幸せを与えているだろう」
って言い放つんだろうな。
あぁ、そうだ、神様は間違ってない
神様は毎日くれている。
『''当たり前''と言う何気ない日々』を
この世界では戦争がありふれている
それは、世界的に注目されているものから
注目はされないけれど、多くの民が死ぬ内戦まで。
今日を生きれなかった者もいる中で
温かいご飯、いや、ご飯さえ食べれなかった者もいるこの世界で....
毎日ご飯を食べ、学校へ行き、友達と会い、安心して
寝床に着く。次の日が当たり前に来て、目を覚ます。
これを繰り返すだけ。されど幸せなのだ。
何故だろう、幸せじゃない人は「生きたい」と願い
幸せな人が「死にたい」と願うのは

『環境』

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