さぁ、さぁ、この日が来ました。
クリスマス!あぁやばい楽しみすぎる。
そう、今日はクリスマス。
推しの新ビジュが見られる。
私の大好きなスマホゲームの
クリスマス限定ガチャが解禁される。
この日の為に推しがガチャに来ても
引かないように我慢してきた。
だけど上限にはギリ届かないんだよな…。
早速ゲームにログインする。
「・・・うわぁぁぁぁあ!!」
ホーム画面から早速推しの新ビジュが拝見できた。
なんともこう声に出ない叫びでテンションが、
舞い上がっている。
あぁ、なんと神々しい私の生きる糧だ。
さぁ、本命のガチャだ推しをお迎えする為に。
スマホの周りに推しのグッズを置く。
そして神頼みだ。
「あぁ、神様、仏様、女神様などなど
どうか推しをお迎えさせて下さい。
私の全て一生をかけます。お願いします。」
上限は130回10連するのに3,000石
私が今持っている石は360,000石だ。
10連分足りない。どうかでて…。
「・・・・・・うそ」
出なかった確定演出も一回もなかった。
あと10連あれば推しをお迎えできたのに。
どうしよう、課金しようかな
まじどうしよう…。
今月金欠だからな…。
え….もう…...。
「泣きたい」
これが毎年クリスマスに、起きている。
いい加減学ばないといけないなと思いながら
私のクリスマスの過ごし方だ。
「加藤さん〜夕ご飯の時間ですよ〜」
看護師さんがトレーを持ってやってきた。
「今日は、クリスマスイブですね〜。
なんと今日はケーキがついているのですよ!」
「そうなんですね、ありがとうございます。」
ベットの上のテーブルにそれを置いてくれた。
「いつもの時間になったらまたきますね〜」
看護師がせっせと行ってしまった。
窓を見ると雪が降っている。吹雪だ。
食べ終わった食器を片付けに来てくれた。
またせっせと行ってしまった。
「なんで、この時期に入院なのかな〜」
昨日、ツルッツルの道を歩いて
見事に転んでしまい、骨折してしまった。
一様、二週間後には退院だが、
なんでこの時期に
なんでクリスマス目前で転んでしまったのだろう…。
クリスマスイブまさに今日
久しぶりに会う友人のみくとクリスマスツリーを
見に行こうと約束したのに…。
私の住んでいる街では
クリスマスイツリーのイルミネーションが
とっても有名なのだ。
毎年、この時期が近づくとチラシなので
でっかく紹介されている。
コンコンコン
「失礼しま〜す」
この声は、
「こんにちは、元気そうでよかった。」
みくだ。わざわざ見舞いに来てくれたのか。
「びっくりしたよ。骨折して入院するなんて。
年なんじゃない?」
「それだったらあなたも同じ年でしょ」
「そだねw、これ前欲しがってた小説持ってきたよ」
「ありがとう」
ありがたい、これで暇つぶしが増えた。
「本当にごめんね、今日約束していたのに」
「全然大丈夫だよ。そういえばこの方向だったよね。」
「え?」
「ツリーだよツリーもしかしたら見えるかも」
昨日この部屋に来た時は、今みたいな吹雪だった。
窓を見ると吹雪は止んでいた
「あれだ!あった!」
みくをが指を刺して子供のように喜んでいる。
私のベットからは何も見れない。
みくが写真を撮って見せてくれた。
それは本当に小さい小さい500円玉のような
ツリーだった。
「明日も会いに来るね!」
みくは行ってしまった。
病室がしんと静まる。
みくから送ってもらった写真を見返す。
小さなツリーの光が一番強い。
ここにいるよと教えてくれている感じがする。
きっと明日のクリスマス本番は
もっと強い光になるのだろう。
今は、前夜祭の夜か、
ハッピーバースデートゥユ〜
ハッピーバースデートゥユ〜
ハッピーバースデイディアさや〜
ハッピーバースデートゥユ〜
今日は私の誕生日だ。
12月24日クリスマスイブの日。
両親と妹、おばあちゃんと5人で祝った。
私の誕生日ケーキ、イチゴが5個乗って、
ホワイトチョコには『Happy Birthday〜さや〜』
と書いてる。
だけど、後ろにサンタの砂糖菓子と
『Merry Xmas』の飾りもついている。
ケーキの蝋燭をいっぱい口の中に溜めた空気で消す。
1発では消えなかったので、後2、3発吹いた。
いつもは違ったのに、
いつもはクリスマスのケーキと
私の誕生日のケーキは別だったのに、
今年は物価が高く、ケーキが
高くなり、ふたつも買えなかったのだ。
親からは、ごめんねと言われたが
私のだけでよかったのに…。
みんなが、ケーキを食べ終わった後に
プレゼントをもらった。
親からはずっと欲しかったゲームをもらった。
妹もクリスマスプレゼントと
子供用のお化粧セットをもらっていた。
妹はキラキラと目を輝かしていた。
「私のクリスマスプレゼントは?」
「そのゲーム高かったから今回はそれだけだよ」
「そっかわかった」
今年もか、妹はいつもクリスマスプレゼントを
もらっている。
誕生日プレゼントもだ。
私はいろいろ言われいっつも一緒にされる。
妹の誕生日私もプレゼントを渡すが、
妹からプレゼントを貰ったことはない。
妹が、羨ましい。
私は今、真冬のバスに乗っている。
満員で、席に座れて私はラッキーだと思う。
バスの運転手が「前に詰めて下さい」と言っている。
すると、同じ年ぐらいの制服を着た女の子が
こっちにきた。
その子が手袋を外すと、何かの香りがした。
きっとハンドクリームの匂いなのだろう。
酸っぱいようなちょっと違うような、
きっとこれはゆずの香りだろうか。
バスを降りるまで私は、
そのことばっかり考えてしまった。
いま、体育の授業中だ。グラウンドで野球をしている。
最初はぺあになりキャッチボールからだった。
クラスで一番中のいいそらとやった。
私は、野球は詳しくない。
ボールを投げる人が『ピッチャー』で、打つ人が『バッター』後、『ホームラン』くらいだ。
きっとこうだろう試行錯誤しながら投げた。
あっち行ったりこっちいたりこう散々だった。
次は、『ばってぃんぐてぃー』(?)を使って
バットでボールを打つ練習だ。
なんかこううまくいかない。
野球選手はどうしてあんなに飛ぶのだろうか。
手前にしか落っこちない。
そらには「空ぶってるよ!」と言われる。
わかってる、分かってる当てるように意識してる。
だけど、難しすぎる。
ふと、学校のあの大きい時計を見てみる。
後、15分で授業が終わる。
さっきよりは空振りは減った。
そして5本打って一本だけ遠くに行くようになった。
嬉しいすぎる。
あとは、安定して打てればいいのだが。
もしかしたら、ホームランぽいのも打てたりして…。
先生の笛の音が聴こえる。ピィーー!!と、あの甲高い音。ボールではなく先生に目が行く。
「これからちょっとだけど試合ぽいことするから均等に分かれて下さい」
「「「はーい」」」
出席番号順に段々と人が分かれていく。
そらとはわかれてしまった。
「おぉーそらそっちのチームだ敵なのか!」
「はははっ!かかってこい!」
くだらないことかもだが、この会話がすごい楽しい。
攻めと守りに分かれてスリーアウトで
交代すると言う簡単なルールだった。
唯一納得できないのはあのバッティングティーを
使うのではなく守りの人がピッチャーになる
と言うものだった。
一周目攻めだった私は2人目に打った1人目の子は、
今一塁にいる。
ピッチャーはそらだ。
そらは打ちやすく優しく投げてくれるが私は3回とも空振りしてしまった。
段々と試合が進んでいき。
今私は守りにいるそれも後ろの方。
滅多にここにボールは来ない。
皆手前の方にボールが行くか、空振りだからだ。
三塁と一塁に敵が今いる。
点数的には僅差だが、私たちのチームが勝っている。
ツーアウトの状態、残りの時間から考えて、
これが最後になるだろう。
次は…あ、そらだ。
野球好きの、そら。
ボールが打てるようになったのは彼女のアドバイスのおかげだ。
もしかしたら、彼女なら逆転勝ちに導いてくれるのかもしれない。
ピッチャーとバッターの一騎打ち。
そらは遠くからでよく見えないが、楽しそうな感じがする。
カキーン
あの音だ。
野球選手からなる高く飛ぶと教えてくれる音。
私はボールを探すため大空に目をやった。
雲はない快晴だ。この時点でそら達の勝ちが決まった。
決定弾は、この大空だ。