気分屋の鮭

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いま、体育の授業中だ。グラウンドで野球をしている。
最初はぺあになりキャッチボールからだった。
クラスで一番中のいいそらとやった。
私は、野球は詳しくない。
ボールを投げる人が『ピッチャー』で、打つ人が『バッター』後、『ホームラン』くらいだ。
きっとこうだろう試行錯誤しながら投げた。
あっち行ったりこっちいたりこう散々だった。


次は、『ばってぃんぐてぃー』(?)を使って
バットでボールを打つ練習だ。
なんかこううまくいかない。
野球選手はどうしてあんなに飛ぶのだろうか。
手前にしか落っこちない。
そらには「空ぶってるよ!」と言われる。
わかってる、分かってる当てるように意識してる。
だけど、難しすぎる。

ふと、学校のあの大きい時計を見てみる。
後、15分で授業が終わる。
さっきよりは空振りは減った。
そして5本打って一本だけ遠くに行くようになった。
嬉しいすぎる。
あとは、安定して打てればいいのだが。
もしかしたら、ホームランぽいのも打てたりして…。
先生の笛の音が聴こえる。ピィーー!!と、あの甲高い音。ボールではなく先生に目が行く。
「これからちょっとだけど試合ぽいことするから均等に分かれて下さい」
「「「はーい」」」
出席番号順に段々と人が分かれていく。
そらとはわかれてしまった。
「おぉーそらそっちのチームだ敵なのか!」
「はははっ!かかってこい!」
くだらないことかもだが、この会話がすごい楽しい。

攻めと守りに分かれてスリーアウトで
交代すると言う簡単なルールだった。
唯一納得できないのはあのバッティングティーを
使うのではなく守りの人がピッチャーになる
と言うものだった。
一周目攻めだった私は2人目に打った1人目の子は、
今一塁にいる。
ピッチャーはそらだ。
そらは打ちやすく優しく投げてくれるが私は3回とも空振りしてしまった。

段々と試合が進んでいき。
今私は守りにいるそれも後ろの方。
滅多にここにボールは来ない。
皆手前の方にボールが行くか、空振りだからだ。


三塁と一塁に敵が今いる。
点数的には僅差だが、私たちのチームが勝っている。
ツーアウトの状態、残りの時間から考えて、
これが最後になるだろう。
次は…あ、そらだ。
野球好きの、そら。
ボールが打てるようになったのは彼女のアドバイスのおかげだ。
もしかしたら、彼女なら逆転勝ちに導いてくれるのかもしれない。
ピッチャーとバッターの一騎打ち。
そらは遠くからでよく見えないが、楽しそうな感じがする。
カキーン
あの音だ。
野球選手からなる高く飛ぶと教えてくれる音。
私はボールを探すため大空に目をやった。
雲はない快晴だ。この時点でそら達の勝ちが決まった。
決定弾は、この大空だ。

12/21/2023, 3:33:40 PM