《今日のお題の感じだと、どうしても日記を書くしかなさそうなので小説風日記を書きます。》
いつだってずっと「ありがとう」の一言が言えない。それは誰?
友人?それとも家族?
いいや、1番に言ってあげなくちゃいけないのは自分だ。
今日も頑張ってくれてありがとう。
そうやって自分自身に言えたら、こんなに捻た奴にならなかったんだろう?
そんなこと誰も教えちゃくれないけど。
『堕落吐き』。
こんなふうにつらつらとクソみたいな文章をひたすら書く。
最初はそのつもりだったんだ。
でもここには同じような人が沢山いた。
じゃあ、
せめて僕は書いて疲れた人への口直しを作ろう。
名前を変えていないのは、単に面倒なだけだけど。
ともかく、そんな『堕落吐き』もそうじゃない僕も。
ありがとう。
『「ありがとう」を伝えたかった人』
今日も君は、その眩しい笑顔を向ける。
そして言うんだ。
「一緒に帰ろう?」
その一言が、どれほど嬉しいのだろう。
また君が愛おしくなる。
だけど、
だけどこの恋が叶うことは無いと知っている。
君は別の人が好きなんだ。
「どうしたの?」
ああ、まただ。
また俺は君を好きになる。
『優しくしないで』
大学に通うには、実家からは遠い。
私は長年暮らしてきたこの家を離れ、春から一人暮らしを始める。
「これはいらないな〜。…あ、これは使うかも。」
そんなこんなで荷物整理もあとちょっと。
残すは1番手をつけたくなかった趣味ゾーン。物が多いから後回しにいていた。
しかしそんなことも言ってられない、渋々このゾーンの片付けを始めた。
「…ん?」
なんだか無性に目を引いた。綺麗に折りたたまれた布?…いや――。
エプロンだ。
「懐かしいなぁ。」
高校の頃に部活で使っていたエプロン。まだ引退してから半年しか経っていないのに、とても懐かしさを感じる。
美術部。私が美大を目指すきっかけになった、私の学び舎。
どんなに綺麗に使おうとも、どうやっても汚れてしまった事をよく覚えている。と言うか、最後の方なんてもはや自分からエプロンを汚すように塗っていた。
最初はシンプルで、悪く言うなら凡庸。
だけど今は。
私の歩いてきた道。とても色とりどりな、私らしいエプロンだ。
『カラフル』
ねえ、この世界にさ、天国ってあるのかな。
もしも話だよ。
あはは!そんなに真剣に考えないでって!
わかってるよ、そんな事考えてもどうにもならないって。
あ、もう時間だ。部屋に戻らなきゃね。
それじゃ…またあした。
「…僕らに天国なんてないんだよ。」
そんなこと言えるわけなかったから、せめて君の後ろ姿にだけ本当のことを教えてあげた。
天国も地獄もない。
ここはそんな、楽園なんかじゃないんだよ。
『楽園』
私は屋上で歌を歌う。
この歌声を、遠くまで響かせるために。
次の日は山で歌う。
その次の日は、海で。
また次の日は、橋で。
人の目など、些細なものだ。誰がなんと言おうと私は遠くへ歌を歌う。
今日は広葉樹の公園で、私は歌い続けた。
どこへ行くのかは分からない。
ただひたすらに、風が運ぶ事を祈って歌う。
生きているのかも分からない、あなたに届くように歌う。
ふと、私の目の前を青い葉が過ぎった。
それは気がつけばもう、手の届かないところへ飛んでいってしまった。
あの葉のように風よ、私の歌をあなたのもとへ。
『風に乗って』