たーくん。

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9/11/2025, 10:18:50 PM

誰もいなくなった薄暗い職場。
俺は課長に残業を頼まれ、一人でパソコンのモニターの光を浴びながら作業している。
……誰か一人ぐらい手伝ってくれてもいいのに。
俺の机の上には、いつ飲んだか分からないコーヒーとエナジードリンクの缶が沢山並んでいる。
これだけあればボーリングが出来そうだ。
いや、片付けるのが面倒だからやめておこう。
薄暗い職場にひとりきりでいると、正直辛い。
なので、推しの配信を見ながら作業することにした。
おっ、数分前に配信が始まったばかりだ。助かるぅ~↑
俺の推しはVTuberの女性。
明るくて可愛くて、声を聞いてるだけですごく元気が貰える。
「ねぇねえ、皆今何してるの~?」
推しからの質問に、チャット欄のリスナーのコメントが沢山流れていく。
俺もコメントしておこうかな。
"残業中なう"っと。
これだけコメントが早いと、推しに読まれることはないだろう。
「残業中なう……わぁ、遅くまでお仕事お疲れさま!配信聴きながらお仕事してるのかな?働きすぎて身体壊さないようにね?応援してるよ!」
作業していた手が、思わず止まる。
推しが……俺のコメントを読んでくれた。
しかも体調を気にかけてくれて、応援まで……。
推しの優しい言葉に、感無量だ。
普段は配信者とリスナーという距離感だけど、今日はいつもより推しを近くに感じた。

9/10/2025, 10:11:28 PM

物が散乱している妻の部屋。
妻は床で、ぐったりしている。
ようやく、静かになった。
すごく暴れて手こずったが、なんとか息の根を止めれたぞ。
俺に歯向かうからこうなるんだ……ざまあみろ。
最初は真っ赤な顔をして怒っていたのが、首を絞めると緑、青と信号のように色が変わって、見応えがあった。
これで、俺に文句を言う奴はいなくなった……ひひ……ひひひ……ひひひひ……。
……ぐったりした妻を見ていると、だんだんと罪悪感が沸いてくる。
本当にこれでよかったのか?
殺さなくてもよかったんじゃないか?
ああ……あああ……。
何も考えれなくなり、動かなくなった妻を見ていることしか出来なかった。

9/9/2025, 10:15:45 PM

真っ白の空間で、私と友達にレンズを向けるカメラ。
私は可愛くなるフィルターをかけてって言うと、カメラは反論した。
「フィルターなんてかけなくても、君達は可愛い。ありのままの姿で撮らせてくれ」
「いやいや、可愛くなるためにフィルターをかけるんだけど?早くフィルターかけて」
「いえいえ、フィルターなしでも可愛いです。わたくしが保証致します」
「いやいやいや、可愛くなるフィルターかけなさい」
「いえいえいえ、ありのままの姿で──」
「もう!さっさとフィルターかけて撮りなさいっ!」
カシャッ!
シャッター音が、真っ白の空間に響き渡る。
「君達のありのままの姿を撮りました。お受取り下さい」
受け取り口から、写真が出てきた。
写真には、怒った顔をした私と友達の顔がアップで映っている。
最近のプリクラは音声認識になって便利になったけど、絶対にフィルターをかけてくれない。
しかも怒った顔を撮られるなんて……。
でも、普段こういう写真は撮らないので、なんだか新鮮な気持ちだ。
「まっ、こういうのもありかな」
「怒った顔なんて自分で見ないもんね」
最初は不満だったけど、なんだかんだで、私達の思い出の一枚になった。

9/8/2025, 10:13:53 PM

ギラギラとかがやいているたいよう。
こんなにいいてんきなのに、ぼくはひとり。
こうえんでは、みんなたのしそうにあそんでいる。
なかまにいれてって言ったけど、いやそうなかおをされたから、やっぱりいいってことわった。
ひとりでブランコにのっているのはあきた。
ひとりですべり台をすべるのもあきた。
ひとりですなばであそぶのもあきた。
ひとりは……つまんない。
「あっ」
じめんを見ると、ぼくのかげがあった。
ぼくがうごくたびに、かげもうごく。
「ねぇねぇ、いっしょにあそぼ」
ぼくはかげにきくと、かげはうなずいて、いいよってへんじしてくれた。
やったー。これでぼくはひとりじゃない。
ぼくはかげといっしょに、こうえんないをはしりまわった。

9/7/2025, 10:17:22 PM

空から落ちてくる秋の雨。
君は赤い傘を回しながら、雨で濡れたアスファルトを歩いていく。
「今日は随分とご機嫌だな」
「うんっ、だって久しぶりの雨なんだもんっ」
傘を回しながらこっちを向き、微笑む君。
まるで虹のようだ。
「どうしたの?笑ったりして?」
「いや、なんでもないさ」
虹のような笑顔をずっと見ていたくて、雨は止んでほしくないなと思った。

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