風雪 武士

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3/19/2026, 3:30:55 AM

たった1つの希望。

青い瞳の来客編2

俺はダ−ビッシュバンことトルコ猫。
野良猫の子猫が成猫になる確率は30%。
死因は車の事故、人間の虐待、野良猫との喧嘩での怪我、天敵の襲撃、病死、凍死、餓死もある。
野良猫が昼寝をしていて呑気だなと思ったら大間違いだ。
目を閉じていても、常に聴き耳をたてている。
外敵の襲撃を警戒しているから仮眠しかできない。
熟睡できるのは家猫だけだ。
家猫は医食住が保障されているから天寿を全うできる。
何かあれば良心的な飼い主なら動物病院で治療してくれるからな。
それに比べて俺達野良猫の寿命は3〜5年。
それほど過酷なのだ。
野良猫との縄張り争いに勝てば、安全で食物に困らない満たされた平和な生活が手に入るが、負ければテリトリーを追い出されるならまだしも、大怪我をしたら死に至る地獄だ。
俺達の生活は常に死と隣り合わせ。
選択を誤れば死が待っている。
だから、明日の事を考える余裕はない。
今日を生きる事で精一杯だ。
俺は今まで様々な修羅場を潜り抜けてきた。
だから、倉庫の屋根から必ず降りれる!
諦めるな!
少し休んだら冷静になってきた。
もう一度、屋根から降りれるル−トを探そう。
トルコ猫は時間をかけてすべての屋根をチェックした。
この場所は高すぎて危険だな。
ここはジャンプしたら降りれるけど前足が骨折する。
あそこは、屋根のすぐ下に古い換気扇があるけど、爪がかからないから落下する。
駄目だ!やっぱり降りる場所がない!
このままでは、やばい…。
トルコ猫は目を閉じて体を丸めて熟慮した。
閃いた!これなら倉庫の屋根から降りられる!
トルコ猫は両目を開いた。
たった1つの希望に賭ける為に。

次回に続く??

3/18/2026, 6:26:20 AM

泣かないよ。

青い瞳の来客編1

なかなか、立派なホテルじゃないか!
駐車場は広いし、過ごしやすそうだな。
噂では男の人がエサをくれるらしい。
俺達にとって貴重な存在だな…。
ここはサバトラ猫の縄張りだったが、奴はもう放棄したようだ。
なら今日から俺の縄張りとするか。
先ずはこのホテルを偵察だ。
野良猫は駐車場をゆっくり歩いている。
野良猫の目は澄んだ青い瞳、頭に黒いライン、
体には白と茶色の模様がある。
猫種:タ−キッシュバン。
トルコ猫の別名を持つ。
トルコ猫は塀に登って、駐車場の屋根に跳び乗り、
倉庫に跳び移った。
華麗な身のこなしだ。
トルコ猫は倉庫の屋根からホテルを観察している。
人の往来が多い。
車も沢山停車している。
走行時は気をつけないと、車に轢かれたら一発アウトだ。
それで俺の仲間達が大勢死んでいたからな……。
うん!?塀の内側に猫しか通れない狭い通路があるな…。
いざとなったらここから逃げるとしよう。
トルコ猫は逃走経路などホテルの情報を頭に叩き込んだ。
よし、こんなもんでいいだろう。
倉庫から降りて、寝床を探すか。
トルコ猫は倉庫の屋根の端から駐車場の屋根に跳び移ろうとした。
しかし、体が動かない。
駄目だ!怖くて跳べない!
倉庫の屋根と駐車場の屋根は2mほどの段差がある。
猫は高い所に登るのは得意だが、高い所から低い所へ降りるのは苦手なのだ。
トルコ猫は他に降りる場所がないか探した。
しかし、見つからなかった。
しまった!倉庫から降りれない!!
俺は一体、どうすればいいんだ?
泣きたいよ!!!

次回に続く?






3/17/2026, 5:05:21 AM

怖がり。

最近の映画、アニメ、ゲ−ムはグロい。
なんでこうなったのだ?
もちろん、ニ−ズがあるからだけどそんなシ−ン見て楽しい気分になるのかな?
残虐な映像も小説の描写でも吐き気がする。
伊藤計劃氏の「虐殺器官」面白いらしいが途中でやめた。
読んで気分が悪くなった。
虐殺がテ−マの作品に何の意味があるの?
そんな物語を書かなくても人類の歴史を調べれば数えないほどある。
作り話なら、起承転結があって最後はハッピ−エンドがベストだ。
日本でも残酷な事件があり、被害者達関係者が悲しい思いをされている…。
哀しい世の中だ。
将来が不安になる厳しい現実の日々を過ごしているのだから、せめて物語の世界では幸せな気分でいたい。



3/16/2026, 10:08:41 AM

星が溢れる。

愛する妻、美智子を亡くして僕と菜帆は二人で生活をしている。
ス−パ−で買い物を終えて夜道を歩いている。
「ママはいつ帰って来るの?」
菜帆は呟いた。
「ママは天国に行ったからもう帰って来ないんだよ…」
僕は答えた。
「そうなの…。寂しいよ…」
「その代わりにパパがずっといるから大丈夫だよ」
「ママもいなきゃ嫌だ!」
「空を見てごらん、星が溢れてるよね。ママはあの星になったから無理なんだよ…」
僕は諭すように言った。
「じゃあ、新しいママが欲しい…」
仕事と家事に頑張ってきたが、菜帆はまだ幼い。
母親の温もりが恋しいのだ。
「そうか…。母親に甘えたいよな…。パパ頑張ってママを探すよ」
「うん、約束だよ」
子持ちのおじさんを受け入れてくれる女性なんているかな?
僕だって寂しいし、一人よりも二人の方が家事の負担は減る。
ダメ元で探すか…。
いい人見つかるといいな…。
僕は星に願った。

3/15/2026, 8:10:10 AM

ずっと隣で。

僕は美智子と結婚して、娘の菜帆を授かり楽しく暮らしていた。
5年後、美智子の乳がんが発覚して入院している。
がんは進行しステージ4でもう手遅れだ。
病室で美智子がベッドに横になっている。
僕と菜帆は見舞いに来た。
「貴方ごめんなさい…。菜帆をお願いします」
美智子はベッドから体を起こして言った。
「僕だけでは無理だよ。美智子がいなきゃ駄目だ!ずっと隣でいてくれ!」
僕は懇願した。
「私もそうしたいけど…。もう無理みたい…」
「ママ、早く元気になってね」
菜帆が美智子の手を握って言った。
「分かったわ、ママ、諦めずに頑張るからね!」
数ヶ月後、美智子は天国に旅立った。
だが、いつまでも悲しんでいられない。
僕が菜帆を一人で立派に育てるよ。
これからは僕が父親と母親の二つの役割をしなければならない。
料理はカレーライス、ビ−フシチュー、シチュー、肉じゃがしか作れないからレパートリーを増やさないとね…。


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