風雪 武士

Open App
5/8/2026, 11:09:43 AM

✧初恋の日。

「風雪さん、時間ですよ。起きて下さい!作品を早く書いて下さい。読者の皆様がお待ちですよ!」
淑恵さんが部屋のベッドで寝ていた僕を起こした。
「う〜ん、執筆時間ですか。あれ?僕は生きているんですか?確か昨日、地球に巨大隕石が落下して全生物は滅亡したんじゃないんですか?」
僕は目を擦りながら聞いた。
「それは、貴方がテ−マにそって創作した物語での出来事でしょう。書くアプリのお題に忠実に守っていたら、全会員の作品が昨日で最終回でしょう!真面目に捉えすぎですよ」
「なんだ、そうなんだ。良かった…。ところで今日のテ−マはなんですか?」
「初恋の日です」
「という事は今日は10月30日って、違うやん!」
「世の中、色々ありますよ。初恋の日について語って下さい」
「初恋と言えば村下孝蔵さんの歌だね。歌詞といい、メロディ−といい名曲だね。村下さんが中学生の時に好きだった人を思い浮かべて作った曲だけど、村下さんがこの曲をTV番組で歌ってる時に、好きだった人がサプライズ出演されてだけど、綺麗な人で感動した!皆様も良かったYouTubeで視聴してみて下さい。初恋のテ−マについては次回頑張ります」



5/7/2026, 11:51:35 AM


✧明日世界がおわるなら……。

「そうですか、やっぱり地球に巨大隕石が落下するのは防げないんですね!分かりました。教えてくれてありがとうございます。失礼します」
僕はお礼を言ってスマホを切った。
電話の相手は防衛省の大物。
世界の政府は、全人類がパニックになるので地球に巨大隕石落下の事実を隠蔽していたのだ。
僕はホテルの支配人、日本スタッフ、ネパール人スタッフ、お客様を集めてこの事を伝えた。
みんなで話し合った結果、全員、実家やネパールに帰国する事になった。
ネパール人スタッフの飛行機などの交通費は僕が全額負担する事にした。
お金などもう必要ないのだ。
「風雪さん、今まで本当にありがとう!お世話になったね」
支配人は感謝の言葉を言った。
「こちらこそ、ありがとう。寂しくなりますね…。お元気で…」
僕も最後の挨拶をした。
全従業員は車に乗り込み、立ち去った。
僕は彼らが見えなくなるまで手を振った。
様々な思い出が脳裏に浮かび、いつの間にか涙を流していた。
その時、トルコ猫が近づいて来た。
「トルコ猫ちゃん、ここに居たら危ない!今すぐ逃げろ!!」
僕は猫翻訳アプリを使用して言った。
「逃げるってどこに逃げるの?間もなく地球は崩壊するんでしょ?だったら私の命を救ってくれて、他の野良猫から守ってくれて、美味しいお魚をくれた恩人のあなたと運命を共にするわ」
トルコ猫はそう言った。
「そうか、ありがとう!まさか猫と最後の時を迎えるとは僕らしいや、おいで」
僕とトルコ猫は抱き合った。
「あら、初めて触らせてくれたね」
「最後だからサ−ビスよ」
その瞬間、とてつもない轟音が地球上に鳴り響いた。
そして、地球は崩壊した。


地球に巨大隕石落下は、あと1000年以上ないのでご安心下さい。








5/6/2026, 12:00:05 PM

✧君と出会って。

沙彩さんへ。
君と出会って、僕は良かった。
軟弱だったけど、君が励ましてくれたから様々な困難を乗り越える事が出来た。
人間的に大きく成長した。
今の幸せがあるのもすべて君のおかげだ。
本当にありがとう。
これからも宜しくね。

……なんてことは僕の人生になかった。
まさか結婚出来ないとは思わなかった。
いつか運命の出会いがあると信じていたが縁がなかった。
僕が若い頃はスマホはなく、女の子と連絡する時はその子の家に直接電話するしかなかった。
その時、大抵父親が出て「どなたですか?」と必ず質問された。
僕は常識的な時間帯に電話をかけて、丁寧な言葉遣いだったので一度も怒られた事はない。
逆にご両親に気に入られて「ウチの娘をどうぞ」とか言われたけど、本人に好かれなかったからどうにもならなかった。
親に嫌われて交際を反対されても、女の子に好きになってもらえれば、駆け落ちして赤ちゃんが出来た頃に、親に会いに行けば認めてもらったりするものだが、そんな大恋愛を経験する事はなかった。
だから、僕は格段に成長しても恋愛小説は書けない。
この書くアプリのテ−マでも、自分が感情移入して面白い作品が書けた時は皆様から高い評価されるし、そういうものだろう。
人にはそれぞれ定められた運命がある。
幸せの形は様々。
明るく楽しく自分の人生を全うすればいいのだ。















5/5/2026, 11:13:00 AM

✧耳を澄ますと

僕は夜勤専属のホテルマン。
午後22時〜午前9時まで勤務時間。
午前2時〜午前5時までは仮眠となる。
時計は午前2時。
僕は、前半の作業を終えてホテルのフロントを消灯して事務所のベッドに横になる。
目を閉じて耳を澄ますといつの間にか眠りにつく。
……ガシャン、ゴトン!
僕は目を醒ました。
お客様が自動販売機で飲み物を買われたな。
お部屋にお水がございますのでそれで我慢して下さいとはいかないですよね…。
……ウイ−ン、バタン!
ピクッ、僕は反応した。
自動ドアの開閉音かお客様がお帰りになられたか…。
時刻は午前3時、キャバクラで1杯やってきたのかな?
朝はお仕事や用事がございますよね。
深夜はベッドで寝ましょうね。
カシャ。
デスクに置いてあるルームキ−をお取りになられたな。
勘のいいお客様で良かった。
呼び出しベルを押して「ルームキー下さい」って起こされたくないので僕が発明した。
ピンポ−ン!
呼び出しベルが鳴った。
「はい、どうされました?」
僕はベッドから瞬時に飛び出し、フロントに直行した。
「スマホの充電器を貸して」
お客様が言った。
「この時間は緊急時の用件しか対応しない。あなたは23時に私と会ったでしょう?その時に頼んでよ!」とは言えないので素直にお渡しする。
ピンポ−ン!ピンポ−ン!
呼び出しベルが鳴る。
「はい、どうされました?」
「スマホの充電器を貸して下さい」
とある銀行員のお客様が言った。
「今、4時30分だよね!あんた銀行員でしょう!おのれら午後3時に受付終了やろが!あと30分ぐらい待て!時間守れよ!」
僕は激怒した。
なんてことは絶対にできないので素直に手渡す。
ピオピオピオピオ。
内線が鳴った。
「はい、フロントです」
僕は飛び起きて返事した。
「胃に持病があって…。今苦しいです。救急車呼んで下さい」
「か、かしこました!」
健康になってからご宿泊して下さい。







5/3/2026, 10:32:07 AM

 ✧二人だけの秘密

午前4時。
ホテルの駐車場。
暗闇の中、野良猫が魚の切り身をムシャムシャと食べていた。
青い瞳のトルコ猫だ。
朝食には早すぎる時間だが、人や他の野良猫には遭遇しないので都合が良かった。
食事が終わり立ち去ろうとした。
その時、男が突然現れた。
男はスマホで猫翻訳アプリを立ち上げた。
「よう、久し振りだな」
男は話した。
「あら、風雪の旦那、本当に久し振りぶりね。会えて嬉しいわ」
トルコ猫は言った。
「ホントかよ?会うと思えばいつでも会えるのに、僕の睡眠中に食事して帰ってるじゃないか!」
「いつも忙しそうだから気を使ってるのよ」
「よく言うよ、5分10分ぐらいなら時間取れるから勤務時間内に来なさい」
「22時〜深夜2時はお肌のゴ−ルデンタイムなの。だから夜更かしするとお肌が荒れるから健康の為に寝てるのよ」
「ああ、そうか!って、あんた顔毛だらけやん!」
「レディは色々と大変なのよ!」
「ところで、僕が作った猫ハウスになんで住んでくれないの?二人だけの秘密、いや、正確には一人と一匹の秘密になるけど…」
「野良猫はね、人に住処を知られたくないのよ、ましては私はレディなんだら…」
「そうかもしれんけど、車の下に隠れてアスファルトやコンクリートの上で寝たら痛いでしよ。フカフカの毛布がある猫ハウスで休みなさい。気持ちいいし疲れ取れるよ。こないだ貴方を助けた行動から僕がどういう人間か分かったでしょ。僕は貴方の味方だから信用しなさい(青い瞳の来客編読んで下さい)トルコ猫ちゃんは警戒し過ぎ、信用できる人間には懐いた方がいい。そしたら、貴方を保護してくれる人間が現れて、家猫として幸せになれるかもしれないよ」
「なかなか魅力的な話ね……。考えておくわ」
トルコ猫は暗闇に溶け込んだ。




Next