【#04. 雨音に包まれて】
雨は好きだ。
水の音に感情が見えるから。
繊細で私であっても、わたしであっても
皆平等に降り注いで寄り添ってくれる。
手すりや空から落ちてくるあなたは
何も言わずとも
「私」が触れるだけで
全て見透かされていて、それでいて
そっと受け入れてくれる
「私」の苦い悔しさも
「わたし」が「私」であるために落とした雨も
あなたは冷たいけれど、その冷たさが
「わたし」の心の色を反射させ、
包んでくれる
それは彼にも、あの子にも、あの人にも
私の色を殺そうとする殺人者にも____
平等に包んでゆく
あなたはヒーローであって
誰か1人を守るものではない
雨は好き。
でも、あなたは皆のヒーローであり、時に周りを巻き込んでしまう。
でも、あなたがいなくなると人々はあなたを求める。
"かわりえない" ものになれていて、受け入れられている
じゃあ、
わたしはどんなものになれるのだろう。
わたしだけを包んでくれる雨はどこにいるのだろう。
【#03. 美しい】
人はみな違う色を持っていて
同系色が混ざり合ったり
正反対の色同士が仲良く存在している
しかし、片方の色が強くなると
もう片方の色は死ぬ
そうやって死んだ色が出来上がっていく
時が過ぎ
人は死んだ色の存在も
名前も忘れてゆく
多くの人は死んだ色を初めて会ったかのように接する
そうやって世界は進んでいるということを考えると
人はそれを美しいと言えるのだろう
【#02. どうしてこの世界は】
普段、生活していて思うことがある。
40人くらいの集団がぎゅうぎゅうに詰められた小さな箱では、自分の思ったように、したいと思った行動を起こせば起こすほど、周りに人は減っていく。
小さな箱の中で相手を伺いながら,妬みながら,生活している。
それはわたしにとって思いっきり息の吸えるものではなく、過呼吸で生活しているようなものである。
それはいつまで続くのだろうか。
この世界は誰もが深呼吸できるところではなく、
誰もが呼吸のできない生活をしているのだろう。
明日はわたしにとって息のできる世界なのか。
私は今、見慣れた道を隣にいる君と歩いている。この見なれた道ももう君と歩くことはほとんど無くなるのだろう。これまで歩いてきた道もこれからは1人で通るのだろう。私からすると君じゃなく、他の誰かとも通った道でもあるね。
え、君はその時1人だったって?それはごめん、仕方がなかったんだよ。その道をどうやって通るかなんてその時の気分だろ?
それは気分で決めない?君とは考え方が違うみたいだね。
そういえば、、、ここでよく休憩したなぁ。あの暑い日は特に日陰を探して、日陰のある場所を覚えていたよね。あの自販機の下を覗いてお金が落ちてないかよく確認してたなぁ。え?恥ずかしかった?いやいや、今でもやりたくなるよ?君はそんなことないのか、、笑
あっ、え、そろそろ帰る?えぇ、まだ話したいことがたくさんあるんだけどなぁ、。あぁそっか、今日は予定があるんだっけ。
じゃあ、また次会う日まで。また今度また歩こうよ。君と私と―、、、
これを読んでいるあなたとの道を。
#微睡みのはじまり ______.6/8.